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【みちのく会社訪問】ふかうら開発(青森県深浦町)

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【みちのく会社訪問】
ふかうら開発(青森県深浦町)

 ■町の自然や産物、「色」で魅力発信

 豊富な自然環境と基幹産業の漁業、農業を最大限生かしながら「色」をキーワードにした観光コンテンツが注目を集めている。担当者の佐藤操ウェスパ椿山事業部次長(43)は「さまざまなバリエーションの観光メニューによって、町の効果的な情報発信を展開したい」と意気込む。

 町は世界自然遺産「白神山地」や神秘の湖「十二湖の青池」、日本海に沈む夕日、マグロ、ニンジンなど、貴重な自然と食に恵まれている。過疎化が進む中、地域資源を生かし、地域の雇用創出と活性化を図ろうと、平成元年10月に町の第三セクターとして発足。観光施設で主力事業のウェスパ椿山をはじめ、地元で採れる海産物の加工などを展開している。

 ただ、季節によって観光客の入り込み数の増減が激しく、閑散期対策や通年観光が課題となっていた。そこで町の自然、産物を「色」に見立て「碧(あお)」(緑色)を象徴とした自然の神秘性を体感するプログラムと「紅(あか)」に象徴される人間が作った産物、歴史をロマンとして体験するプログラムを開発し、滞在型・体験型観光と新たな観光ルート作り、地域ブランドの魅力発信に取り組む試みだ。

 例えば、碧は青池のコバルトブルーや星空のミッドナイトブルーなど、紅は夕日、マグロ、ニンジンといった具合で、提供するシーズンやターゲットを組み合わせてプロモーションを展開していく。「宿泊プランなどと組み合わせて新たな需要の開拓につなげたい」。生まれ故郷の活性化に向け、佐藤次長のアイデアは尽きない。(福田徳行)

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 ■異業種融合で経済効果を

 □ウェスパ椿山事業部・佐藤操次長(43)

 --深浦町の観光の現状は

 「平成27年の入り込み数は約104万人と前年比増となりましたが、それまでは減少傾向でした。やはり通年観光が重要。決して交通の便が良いとは言えない地域で、観光客が求める価値を掘り起こしていく。色は国境を超えても伝えやすいので、インバウンド(訪日外国人)対策にも力を入れたい」

 --色に着目した理由は

 「海、山、温泉、食をどのようにPRしていくか考えた中で、町には白神山地や青池、夕日など色で表現できるものがあることに気づき、分かりやすいと思った。他と同じようなことをやっても意味がないし、色を観光コンテンツとして差別化を図っていきたい」

 --観光以外の具体的な事業は

 「町で採れるワカメやモズクを加工した商品開発を行う水産部門とフード事業があります。また、県内のご当地グルメの先駆けとして4年前にデビューし、町内7店舗で提供している『深浦マグロステーキ丼』もコンテンツに組み合わせ、積極的にアピールしています。このほか、北国の過酷な自然環境の中で栽培されている『ふかうら雪人参』の収穫体験や土産品の開発にも取り組む」

 --今後の目標は

 「さまざまな産業を融合させることで経済波及効果が期待できる。町民、企業などと連携しながら地域資源を最大限活用し、交流人口の拡大と町の活性化を図っていきたい」

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【企業データ】ふかうら開発

 青森県深浦町舮作(へなし)鍋石226の1。(電)0173・75・2811。社長は吉田満深浦町長。資本金2億1000万円。従業員は正社員37人、契約社員40人のほか繁忙期には季節雇用も。水産加工品はネットでも販売。主力のウェスパ椿山には4人用と6人用のコテージが計20棟のほか、ガラス工房、昆虫館などもあり、家族連れで楽しむことができる。ホームページはhttp://www.fukaura.co.jp/