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原発事故の現状学び復興支援 スタディーツアーで学生ら飯舘訪問

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原発事故の現状学び復興支援 スタディーツアーで学生ら飯舘訪問

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が、3月末に帰還困難区域を除く大部分で解除された飯舘村を「スタディーツアー」として、大学生や留学生が訪れている。現地に足を運んで、原発事故の現状や復興の状況を学ぶと同時に、研究内容を生かして復興にも寄与したいという考えが広がっている。(大渡美咲)

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 16カ国から来た留学生22人が今月3日、飯舘村を訪れた。筑波大学に設置されたつくば国際スポーツアカデミー(TIAS)の留学生らで、いずれもスポーツの国・地域の代表や五輪関係者らだ。2020年東京五輪・パラリンピックは「復興五輪」と位置づけられていることから、スポーツを通じて復興に貢献しようと、昨年から被災地を訪問。今年は岩手県陸前高田市と福島県飯舘村を訪れた。

 留学生らは飯舘村の役場や来年4月に開校する小中一貫校の建設現場、現在はスクリーニング(放射線量検査)場となっている草野小学校、綿津見神社などを見学。小学校の敷地内のモニタリングポストを写真に撮ったり、数値について質問したりしていた。

 シンクロナイズドスイミングの元オランダ代表、ロミー・クァーさん(22)は、被災地を訪ねてみて原発事故のイメージが変わったといい、「悲しい現実だが、現状を知ることが大事。自分の目で見て現地の人たちの暮らしを感じる必要がある」と話した。留学生の中には、村にスポーツ用品を寄付したいと話す人もおり、TIASでは来年以降もこの取り組みを続けるという。

 飯舘村と教育について連携協定を結んでいる大阪大学の学生ら19人も村を訪問。4泊5日の日程で畑や森林の放射線量の測定や災害に関する研修を行った。村内で宿泊し、村民や福島大学の学生らと交流した。

 学生らは田んぼの土壌を採取し、大阪に持ち帰って解析。同大工学部3年の野村真由香さん(20)は「津波の被災地は復興が進んで活気があったが、原発事故の被災地はまだ進んでいない。再生可能エネルギーについて研究しているので、どう生かせるか考えていきたい」と話した。

 大阪大では今後も学生の研修で得たデータなどを活かして村の復興支援にも力を入れていく方針だ。

 同大講師の高橋賢臣さんは「生活環境は除染されたが、山は除染されていないので山を見ていかなければならない。大学として今後30年以上、村を見続けていきたい」としている。