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長野市の国道渋滞解消へ自治協があす対策協議会設立

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長野市の国道渋滞解消へ自治協があす対策協議会設立

 長野市中心部と南部を結ぶ国道の慢性的な交通渋滞の解消を目的に、市南部の5つの住民自治協議会(自治協)が、「交通渋滞対策協議会」を22日に設立することが20日、分かった。渋滞対策のために自治協が共同組織を結成するのは市内で初めて。渋滞の実態調査を行い、県などの行政組織に抜本対策の施行を促す。地域の重要な課題を住民主導で解決する動きが本格化する。

 ◆産業活動に打撃

 名称は「長野市南部地区交通渋滞対策協議会」。長野市の犀川を隔てた南部にある更北、篠ノ井、川中島、松代、若穂の住民自治協議会で構成し、丹波島橋と長野大橋周辺道路の渋滞緩和策を検討する。

 協議会は22日、更北公民館で設立総会を開く。渋滞の実態調査や緩和策の検討などに取り組み、県や市に対し活動内容を報告。新たな橋の建設といった抜本対策の早期実行を求める考えだ。

 更北地区自治協の井上正昭会長は、産経新聞の取材に、「慢性的な渋滞が地域の産業活動にとって大きな打撃になっている。理想論ばかり語らず、現実を見つめて5地区共同で頑張っていきたい」と述べた。

 ◆最多の交通量

 長野市の中心市街地と住宅や企業、高速道路のインターチェンジ(IC)がある南部は、犀川で隔てられている。中心市街地と南部を往来するには、国道117号の丹波島橋と国道18号の長野大橋が主に使われている。

 いずれも片側2車線だが、朝夕の通勤時間帯には慢性的な渋滞が発生しており、緊急車両の通行の支障になるほか、産業振興を阻害する要因だと指摘されてきた。

 県と国土交通省などが平成27年度に実施した全国道路・街路交通情勢調査では、平日の昼間12時間(午前7時~午後7時)における交通量は、長野大橋付近(長野市)が3万9124台で県内で最多。次いで丹波島橋(同市)の3万7272台だった。

 長野市交通政策課によると、慢性的な渋滞が発生するようになった時期は不明という。ただ、丹波島橋は4年に交通量の増大を受け、2車線から4車線へ増設されており、20年以上前から渋滞解消に向けた対策が講じられていた。

 ◆利用伸びぬ有料道

 犀川にかかる長野大橋と丹波島橋の渋滞が緩和されない原因の一つとして、東部にある有料橋「五輪大橋」の存在が指摘されている。

 五輪大橋は、県道路公社が1998(平成10)年の長野五輪に合わせて建設し、38年12月までを料金徴収期間として国の認可を受けている。当初は先の2本の橋の渋滞緩和への効果が期待されていたが、通行料(現在、夜間は無料)が100円かかることや、周辺道路の整備が進んでいないため利用が伸び悩んできた。

 阿部守一知事は9月、県道路公社が管理する県内の有料道路(6路線7区間、総延長37・6キロ)について、無料化の検討に着手する考えを表明した。だが、「利用者負担により建設費を賄う」という有料道路制度の規定があり、早期実現の見通しは立っていないのが実情だ。

 一方、長野市が29年4月にまとめた「長野市都市計画マスタープラン」では、路線バス専用レーンの整備をはじめ、カーシェアリングや時差出勤の促進を掲げたほか、人口減少社会に合わせた公共交通施策の見直しも検討されている。(三宅真太郎)