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山形大准教授、電子レンジでプラチナ回収 自動車触媒リサイクル

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山形大准教授、電子レンジでプラチナ回収 自動車触媒リサイクル

 山形大学の遠藤昌敏准教授(55)は、家庭用電子レンジを使い、自動車の排出ガスを無害化する自動車用触媒に含まれているプラチナなどのレアメタル(希少金属)の回収に成功したと発表した。共同研究中の県自動車販売店リサイクルセンター(遠藤栄次郎社長)では、事業化も検討。画期的な手法として、廃車の中に埋もれていた「都市鉱山」の発見に結びつく可能性もある。

 セラミック製が主体の自動車用触媒のリサイクルでは、粉砕して還元剤を使って溶解して回収する方法がとられているが、24時間かかりコストもかさむため新たなリサイクル処理方法が模索されていた。

 遠藤准教授は、平成24年度から同センターと共同研究を開始。専門の分析化学で使うマイクロ波を使い自動車用触媒内の希少金属の回収を思い立った。

 取り出した触媒に加温した少量の王水(硝酸と塩酸の混合水)を毛細管現象を利用して注入。アルゴンガスを入れた容器にマイクロ波(500ワット)を照射することでプラチナとパラジウムが溶出することを発見した。さらにこのプラチナが溶出した液体にマイクロ波を数10秒間照射することで粉末化することも分かった。

 遠藤准教授は「この回収方法は特殊な設備も不要で短時間でプラチナを回収でき、車の解体現場でもプラチナを回収することができる」といい、車2台分の触媒から指輪1個分のプラチナが回収できるという。

 プラチナなど希少金属の多くは輸入に依存しているのが現状で、廃車からプラチナやパラジウムなどの希少金属が回収できる画期的な方法に同センターは「経済産業省も注目している」と説明。この回収方法によって、埋もれていた都市鉱山の発掘につながる可能性もあるという。

 遠藤社長は「持続可能な社会を実現していくため、車を販売する企業の社会的責任として、この共同研究をさらに進めていきたい」と述べ、将来的には事業化も検討していくという。