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石見銀山最大の水だめ 昆布山谷地区「採掘量多さ物語る」

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石見銀山最大の水だめ 昆布山谷地区「採掘量多さ物語る」

 世界遺産・石見銀山遺跡(島根県大田市)の中心部「昆布山谷地区」で、江戸時代前期に築かれた水だめ用施設とみられる遺構が見つかり、市教委石見銀山課が17日発表した。銀山内の水だめ遺構としては最大規模。同課は「選鉱に必要な水だめ施設の大きさは、このエリアでの採掘量が多かった実態を裏付ける資料となる」と評価している。

 昆布山谷地区は、石見銀山遺跡の中心部・仙ノ山の西側で南北に延びる谷筋。同課は平成22年度からこの地区で発掘調査を始め、今年度はこれまでに調査を終えた遺構を対象に、掘り下げたり周辺に広げたりして調査を進めた。

 この結果、選鉱作業の過程で出る廃棄物「ズリ」や「ユリカス」などの集積場所としてすでに見つかっていた遺構のさらに下の層から、水をためるのに使っていたとみられる遺構を3つ検出した。このうち、1つは3メートル×2メートルの大きさで、これまでに石見銀山遺跡内で確認された水だめ遺構の中で、最も大きかった。

 また、水だめ遺構の付近から、桶の底部分とみられる半円状の木製品が出土した。桶は、砕いた鉱石から水中で銀鉱石や銅鉱石などを選り分ける作業に使われていたとされ、実際に使用されていたとみられる桶の一部が見つかったのは珍しい。

 調査に当たる山手貴生主任技師は「大きな水だめの存在は、そのエリアの採掘量の多さを物語る。昆布山谷地区が主要な採掘場だったという状況を示す証拠になる」と話している。

 現地説明会が12月3日午前10時半から行われる。問い合わせは同課(電)0854・82・1600。