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V・ファーレン長崎J1初昇格、喜ぶ小嶺忠敏・初代社長「努力積み重ねた結果」

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V・ファーレン長崎J1初昇格、喜ぶ小嶺忠敏・初代社長「努力積み重ねた結果」

V・ファーレン長崎の昇格に喜ぶ小嶺忠敏氏 V・ファーレン長崎の昇格に喜ぶ小嶺忠敏氏

 サッカーのV・ファーレン長崎が来季からのJ1昇格を決めた。クラブ運営会社の初代社長を務めた小嶺忠敏氏(72)=長崎総合科学大教授=は産経新聞の取材に「県民の皆さん、チームスタッフと選手全員が総結集し、努力を積み重ねた結果だ」と語った。

 小嶺氏は長年、長崎県立国見高校サッカー部を率い、全国優勝を成し遂げ、数多くの有力選手を育てた。

 あるとき、全国のサッカー指導者の会合でこういわれた。「長崎はサッカー王国だろ。J1チームをつくるべきだ」

 クラブ設立に取り組み始めた。

 「あの会合がなかったら、プロチームづくりは10年遅れたかもしれません」

 NPO法人として出発した。チームは地域リーグの九州サッカーリーグに加盟した。スポンサー集めに四苦八苦だった。

 「まさに零細企業でした。100円ずつでも集めようと必至に営業活動した。選手はサッカーだけでは生活できません。非常勤で雇ってくれるよう県教育委員会にお願いにいきました」と振り返る。

 平成18年6月、株式会社化したV・ファーレンの初代社長に就任した。

 チームは徐々に強くなり、21年、全国リーグであるJFLに昇格した。

 次の目標はJ2入りだった。だが、経営は厳しかった。基準を満たすホームスタジアムがないなどの理由もあり、2年連続でJ2入りを逃した。

 「財政難を乗り切るには、プロの経営者に任せたほうが良い」。23年に社長を辞任した。それからは、陰からチームの活躍を見守った。

 25年にチームはJ2に参入した。

 J2の5年目となる今月11日、チームはホームゲームで勝利し、J1昇格を決めた。

 小嶺氏はその瞬間、スタジアムにいた。目には胴上げされる高木琢也監督(50)の姿が映った。高木氏は、国見高校サッカー部の教え子でもある。小嶺氏は「横浜FCやロアッソ熊本などで監督を務め、ノウハウを培ってきた。研究にも熱心だった」とたたえた。

 「やっとここまでこられた。その喜びはあるが、ここで満足したら、すぐにJ1から降格する。調子に乗ってはだめだ。県民を挙げて支えていきたい」と語った。(村上智博)