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大磯~藤沢の11.4キロの海岸林維持は地元の手で NPOなどが協議会

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大磯~藤沢の11.4キロの海岸林維持は地元の手で NPOなどが協議会

 相模湾沿岸に植栽されているクロマツの「海岸林」を地元住民の手で守ろうと、「湘南海岸林保全推進協議会」が発足した。海岸林は飛砂の防止効果と防風機能があり、東日本大震災では津波の勢いを食い止める効果にも注目が集まった。同協議会では「地元ボランティアを中心に、海岸林を維持する活動を続けたい」としている。

 相模湾沿岸の大磯町から藤沢市までの国道134号沿い11・4キロ、広さ85・2ヘクタールにわたって“緑のベルト”と呼ばれる「海岸林」が続いている。この海岸林は、湘南を代表する素晴らしい“景観”としても親しまれている。

 ◆昭和天皇即位祝い

 昭和3年に昭和天皇即位を記念した事業の一環としてクロマツと広葉樹の植樹を開始。戦時中に植樹が中断したり、相次ぐ台風によって被害を受けたりしながらも、飛砂被害や塩害を防止する役割を担ってきた。また、東日本大震災では、海岸林が漂流物を食い止めたり、津波の勢いを食い止めたりしたという効果もあったことから、海岸林の津波防止の効果にも関心が高まっている。

 相模トラフと南海トラフの大地震が連続する可能性を指摘する専門家もおり、津波浸水想定の対象となっている相模湾沿岸地域でも、海岸林のこうした役割に、改めて注目が集まっている。相模湾沿岸の海岸林の維持・整備に向けては、NPO法人「地球緑化センター」(東京)を中心に、平成20年から定期的に下草刈りやツルの伐採などを行っており、県内外から延べ2千人以上が参加しているという。

 ◆「住民参加を」

 しかし、「地元住民の参加が少ない」(同センター)ことから、積極参加を推進していくために、藤沢市、茅ケ崎市、平塚市、大磯町といった周辺自治体や県、大学、企業と連携して、海岸林保全に取り組む「湘南海岸林保全推進協議会」を今年10月に立ち上げた。

 今後は地元住民に対して、海岸林の維持・管理のボランティア参加を積極的に促すとともに、自然観察教室なども開催していきたい考えだ。

 同協議会の担当者は「地域住民に、防災と環境を一体で考えてもらえる機会にしたい。海岸林の持つ津波被害の防止機能などについて、今年度中に学習会を開き、関心を高めてもらいたい」と意気込んでいる。

 同協議会についての問い合わせは、同センター(電)03・3241・6450。(王美慧)

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【用語解説】海岸林

 海から吹きつける潮風や砂を防ぐために造成された人工林で、クロマツやアカマツなどで構成される。最近では、管理する人材の不足や松枯れなどの影響で雑草・雑木が増えつつあり、維持・管理が困難となってきている。