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富田林・廿山南古墳の重層ガラス玉は西・中央アジア産か 古代の交易ルート解明に貴重な資料

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富田林・廿山南古墳の重層ガラス玉は西・中央アジア産か 古代の交易ルート解明に貴重な資料

 富田林市教育委員会は14日、同市の廿山南古墳(6世紀前半、開発により消滅)から出土した副葬品の「重層ガラス玉」が、西アジアから中央アジアで生産された可能性が高いと発表した。奈良文化財研究所(奈文研)と共同で実施した成分分析で判明。奈文研によると、国内でも科学分析された重層ガラス玉は30例ほどで珍しく、古代の交易ルートの解明に役立つ貴重な資料になるとみられる。

 重層ガラス玉は直径約3ミリで、平成13年に出土し、市教委と奈文研が昨年から18点を調査した。1点は7つのガラス玉がつながったような「7連」(長さ約11ミリ)。国内で発見された重層ガラス玉では最多になる。

 ガラス玉内にある金属箔については、出土時から銀箔の可能性が指摘されていたが、今回の成分分析で改めて銀の成分を確認したという。

 ガラスについては、ガラス製品を生産していたササン朝ペルシアの中心部があった現・イラクや周辺での出土品と比べ、酸化マグネシウムより酸化カリウムを多く含むことがわかった。このため、産地について市教委は、現在のトルクメニスタンやパキスタンなど「『西アジアでもやや東』の地域から中央アジアの可能性が高い」と分析した。

 奈文研の田村朋美研究員は「データが蓄積されれば、生産地をより絞り込める。陸路のシルクロードではなく、海路で伝わった可能性が出るかもしれない」としている。

 調査された重層ガラス玉は、28日から来年2月28日まで府立近つ飛鳥博物館(河南町)で展示する。

 また11月18日午後2時から、富田林市常盤町の「市きらめき創造館」で、調査にあたった市教委職員による報告会が行われるが、「重層ガラス玉」の展示はない。定員120人。無料で、事前申し込み不要。問い合わせは市教委文化財課((電)0721・25・1000、市役所代表)。