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【春高バレー神奈川大会】女子・大和南連覇 男子は荏田2度目V 

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【春高バレー神奈川大会】
女子・大和南連覇 男子は荏田2度目V 

 「春の高校バレー」として来年1月に行われる「第70回全日本バレーボール高校選手権大会」(日本バレーボール協会、産経新聞社、フジテレビなど主催)の代表選考会を兼ねた「第23回県高校バレーボール男女選手権大会」の準決勝と決勝が12日、小田原市の小田原アリーナで行われた。

 決勝には、男子は弥栄と荏田が勝ち進み、荏田が弥栄を下し2年ぶり2度目の優勝。女子は大和南と伊勢原が勝ち上がり、大和南が2年連続9度目の優勝を果たした。

 春高出場は男女とも上位2校。男子は、荏田が5年連続5度目、弥栄が5年ぶり4度目の出場。女子は、大和南が13年連続14度目、伊勢原が3年ぶり17度目の出場となる。

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 【男子】

 ▽準決勝

弥栄  2 25-19 0 東海大相模

      25-18  

荏田  2 25-13 0 橘

      25-15  

 ▽決勝

荏田  2 25-18 0 弥栄

      29-27  

 【女子】

 ▽準決勝

大和南  2 25- 8 0 星槎

       25-17  

伊勢原  2 25-17 1 橘

       21-25

       25-17  

 ▽決勝

大和南 2 25-23 0 伊勢原

      25-19  

                   ◇

 アタッカー陣の高さが強みの荏田と、スピード感あふれる攻撃が持ち味の弥栄の一戦となった男子決勝。

 第1セットでは、荏田の重藤や菊永らのスパイクと井上、清水の2枚ブロックが炸裂(さくれつ)した。序盤に6連続得点を浴びせるなどで、荏田がこのセットを奪取する。

 迎えた第2セットでは、弥栄が本領を発揮し始める。サイドからの早い攻撃を展開し、主将の内田らのスパイクが決まり出すなど一進一退の攻防が続き、ジュースにもつれ込む。だが、最後は荏田が押し切り、29-27で県王者の栄光を手にした。

 ○男子・荏田の斎藤雅明監督「こちらにけが人が出たこともあって夏の予選では弥栄に負けてしまっていたので、もし対戦することがあればリベンジしたいという気持ちでやってきた。(決勝戦で勝利できて)ほっとしている」

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 女子決勝は大和南主将・佐藤の安定した攻撃力とエース・若松の高い打点から打ち込まれるスパイクがチームを勝利へと導いた。

 第1セット序盤、伊勢原に5連続ポイントを奪われ、リードを許した。中盤まで交互に点を奪い合う展開が続いたが終盤、若松がブロックや時間差攻撃、強烈なスパイクなどを繰り出し、セットをものにした。

 続く第2セットでは、序盤から6連続ポイントを奪い、高い2枚ブロックで相手の鋭いスパイクも押し返した。反撃のチャンスを与えず、最後は佐藤のスパイクで勝利をもぎとった。

 ○女子・大和南の井上和昭監督「大会前にけが人が出て直前までメンバー全員で練習できず、今日は7割の力しか出ていない。春高ではポジションを変えて、チーム全体を、より強化していく。これからは一戦一戦大切に戦いたい」

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 ■あえて嫌われ役…勝利で涙 大和南・佐藤未羽主将

 「不安を抱えながらの試合だった」。優勝が決まった瞬間、緊張が解けて涙がこみ上げた。

 第1セット序盤、5連続ポイントを奪われてリードを許し、連続優勝のプレッシャーが重くのしかかった。張り詰めた空気を破ったのは「何やってるんだ!」という監督の声。「勝たなければならない」。落ち着きを取り戻し、セット後半で一気に巻き返した。

 高校3年の春。率直に意見を言う性格が見込まれ、主将に抜擢(ばってき)。責任感からチームメートにも厳しいことを言い“嫌われ役”も買って出た。そう割り切る一方で、チームメートとの距離は広がるばかり。「自分が言っても意味がないのでは」と思い詰めた。

 監督から「諦めたら負けだ」と背中を押され、チームをまとめようとしていた矢先、9月下旬にエース・若松が足の甲を疲労骨折し、全治約1カ月のけがを負った。チーム全員での練習ができず、自信が持てないままの日々。しかし、その若松も復帰し、互いに力を出し合って優勝を勝ち取った。

 「さらに力をつけて、監督をセンターコートに連れて行きたい」。輝く瞳は次なる舞台を見据えていた。 (王美慧)

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 ■「個性派集団」乗せて頂点 荏田・井上拓真主将 

 圧倒的な強さで今大会を制した荏田を支えていたのは、間違いなく「背番号1」だった。「アタッカー陣を信頼している」と、セッターとして安定したボールを供給。正確なプレーと声でチームを引っ張った。

 今年1月、春高で初戦負けを喫した先輩たちのチームを受け継ぎ、主将に就任。2年生アタッカーの重藤や、底抜けに明るい清水らを筆頭とした「個性派集団」を率いてきた。能力が高いメンバーが集まるだけに、チームをまとめるのは至難の業だった。今夏のインターハイ後には負傷者が複数出るなど、停滞期も経験した。

 「どうしたらチームを軌道に乗せられるだろうか」。出した答えは「周りを乗せること」。押さえつけるのではなく、声を掛けてチームの士気を高めることで、メンバーが力を発揮できるように腐心。連帯感のあるチームを作り上げた。

 三浦市の自宅から片道約2時間をかけて通学。部活に打ち込む生活を送ってきたが、卒業後は社会人チームでバレーを続けることとなり、学校でのバレーは春高で最後。「全国優勝を目指す」。そう語る横顔は、誰よりも輝いていた。 (河野光汰)