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過疎地の給油所確保へ下仁田がモデル地区に 経産省

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過疎地の給油所確保へ下仁田がモデル地区に 経産省

 人口減少による過疎化で急速に数を減らす地域の給油所(ガソリンスタンド)の確保について、経済産業省が全国で初めて支援計画の策定先として下仁田町を選定、町と初会合を開き現地調査に入った。給油所は災害時に不可欠な燃料供給基地となり、減少回避は全国的な課題。同省では「各地のモデルとなるようにしたい」としている。 (久保まりな)

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 経産省が下仁田町と初会合を開いたのは9日。調査分析を行う三菱総合研究所(東京都)チームも現地入りし、給油所や道の駅、温泉を視察し、給油所からの距離や集落の立地状況などを見て回った。下仁田は東西20キロ、南北15キロと比較的広いが、町によると、給油所は2カ所だけ。同省では「典型的な過疎地域で、全国のモデルになりうる」と下仁田を選定した。

 全国的には、過疎地対策で町営給油所として再建した例や、地元企業が合同会社を設立し廃業を回避し継承した例がある。県内でもみなかみ町で平成24年、藤原地区唯一の給油所が存続危機に陥ったが、住民の要望で町や商工会が引受先を探し、地元企業3社が100万円ずつ出資し合同会社を設立。町も資金援助をし引き継いだ事例もある。

 ただスキー場を抱えた豪雪地帯のみなかみでは、除雪車を動かすにも給油所がないと立ちゆかないため地元企業が立ち上がったが、下仁田にはそうした特異事情もなく、「給油所が少なくて困るという声もあまり聞かない」(同町)。

 それでも、同省は災害時の燃料供給基地としての必要性などを説明し、「なくなってからでは遅い。実行に移せるような身の丈にあった計画策定が大事だ」とし、下仁田にはどのような計画が適切なのか、現状把握に踏み切った。来年2月までの策定を目指し、町と議論を重ねていく。

 マイカー保有率が全国一(27年)の群馬では下仁田だけでなく給油所の減少の影響は大きい。同省によると、18年度末に1083カ所あった県内の給油所は20年度末に1000カ所を切り、27年度末には703カ所まで減少。10年間の減少率は約35%に上る。県石油協同組合によると、後継者不足や消防法で定めた貯蔵タンク改修に多額の費用がかかることなどが原因。県内の同組合加盟給油所数も毎年20程度減少している。

 給油所は、災害時も石油ストーブや風呂を沸かすなど燃料補給面で欠かせない重要インフラのひとつ。同省は「下仁田町で全国の手本となる計画を策定し、燃料安定供給や住民サービス維持につなげたい」とし今後、全国の市町村にも計画策定を呼びかける。町も「当地でもガソリン供給は重要なインフラ。利便性が低下しないよう計画策定に取り組む」としている。