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燕中等・平沢さんの「仲間を守る一言」が最優秀賞 少年の主張全国大会

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燕中等・平沢さんの「仲間を守る一言」が最優秀賞 少年の主張全国大会

 東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで12日開かれた「第39回少年の主張全国大会」で、いじめをなくしたいとの思いを訴えた県立燕中等教育学校(燕市灰方)の2年、平沢幸芽さん(14)の「仲間を守る一言」が最優秀の内閣総理大臣賞に輝いた。本県代表の同賞の受賞は第2回の昭和55年以来、37年ぶり。一夜明けた13日、平沢さんは同校で「本当にうれしい。支えてくれた家族や先生方に感謝したい」と受賞を喜んだ。(松崎翼)

 いじめは命を奪う可能性もあり、なくさないといけない。この思いを伝えたいと、約1カ月間考え抜いて原稿を書き上げたという。担任の込山伸也さん(37)の指導を受けながら発表の練習を重ねた。

 13日登校すると、教室の黒板には「おめでとう」の大きな文字。クラスメートから祝福され「感動した」と顔をほころばせた。

 全国大会では「とても緊張して、少し間違えてしまった」と苦笑いする。会場で晴れ舞台を見守った母の弥生さん(48)は「750人の前で堂々としゃべり、すごかった」と、娘の成長ぶりに目を見張ったという。

 臨席された秋篠宮家の長女、眞子さまに「自分が中学生のときは勇気がなかった。勇気があってすばらしいですね」と声をかけてもらった。「すごくうれしかった」と笑顔で振り返る。

 将来は、人と関わる仕事に就きたいという平沢さん。「困っている人を助けてあげられる強い人になりたい」。真っすぐに前を見つめる瞳で力強く語った。

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 ◆主張要旨

 平沢さんの主張「仲間を守る一言」の要旨は次の通り。(表記は原文のまま)

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 「Aちゃんをはぶろうよ。」仲の良い友達から、突然言われた一言だった。「昨日まで仲良くしていたのに、何でいきなり?」しかし、その疑問は口に出せないまま、なんとなくうなずくだけで、のどの奥に沈んでいった。

 次の日から、身近な友達の全員がAちゃんを無視し始めた。Aちゃんをわざと一人にした。Aちゃんから笑顔が消え、やがて近づいてこなくなった。周りの友達は笑っていた。

 「こんなのいじめだ」と分かっていた。繰り返される残酷な光景に対し、声が出なかった。これを言ってしまったらどうなるのか。自分がはぶられることは、絶対に嫌だった。自分の意見が言えないまま。Aちゃんを避け続けた。

 それからというもの、友達という存在が、「疲れる人」へと変わっていった。嫌われたくないから、とりあえず何でも「うん」と答えた。私はそんな「友達」が嫌いだった。しかし、もっともっと嫌いな人がいた。それは自分自身だった。はっきりと「良い」も「悪い」も言えない自分が大嫌いだった。ある夜、ノートに真っ赤な文字で、「大っ嫌い、大っ嫌い。死ね死ね死ね……」と書き殴った。はっきりと「自分なんか」と書いていた。

 そんな中、インターネットを開き、私はある言葉と出会った。「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。」ドキッとした。その時やっと気づくことができた。自分が変わらなければならないことを。私が言うべき言葉は「うん」という「自分を守るための言葉」ではなく、「こんなのいじめだよ。もうやめよ!」という、「大切な仲間を守るための言葉」だったということを。

 「もう、やめよ。」次の日、勇気を出して、私は友達に伝えた。「……うん。」友達は私の言葉を受け止めてくれた。みんなでAちゃんに謝った。

 今年6月、県内の中学2年生がいじめを苦にして、自らの命を絶った。もしAちゃんを避け続けていたとしたらと考えたとき、私は恐ろしい気持ちになった。周囲の人たちはみな、私のように、救いの一言を飲み込んでしまったのだろうか。「やめようよ。」その一言は、命が失われてからでは遅い。いじめは人を死に追いやる。

 私は、今では仲の良い友達にも「良い」、「悪い」と自分の思いを伝えている。今でも時々、「◯◯ちゃんってうざくない?」そんな言葉を耳にする。でも私は、「そんなことないと思うよ」と、自分の意見を言うようにしている。その一言が、周りの大切な仲間を守る一言になるからだ。