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副葬品は「マジカルな力で守ろうと」 橿考研で黒塚古墳発掘担当者が講演

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副葬品は「マジカルな力で守ろうと」 橿考研で黒塚古墳発掘担当者が講演

 卑弥呼の鏡とされる三角縁神獣鏡33面が出土した黒塚古墳(天理市、3世紀後半~4世紀初め)の最新研究成果を披露する講演会が橿原考古学研究所で開かれた。発掘調査を担当した県教委文化財保存課の岡林孝作課長補佐は、鏡や刀剣など副葬品の多くが被葬者の遺体を「コ」の字型に囲むように2重に置かれていたと指摘し、「マジカルな力に期待して被葬者を守ろうとしたのではないか」とする見解を明らかにした。

 黒塚古墳の調査は平成9~10年にかけて行われ、副葬品発見から今年でちょうど20年になる。岡林さんは当時、橿考研の職員として現場を担当。講演では写真を示しながら、石室の構造や発掘作業の様子、副葬品について詳しく説明した。

 岡林さんが着目したのは埋葬空間における副葬品の2重配置だ。石室の3つの壁(東、西、北)に沿って配されていた三角縁神獣鏡や刀剣・槍(やり)、鉄鏃(てつぞく)などと同じく、棺の内部も画文帯神獣鏡(1面)と刀剣・槍が被葬者を囲むように「コ」の字型に置かれていた事実を指摘。さらに「棺外の三角縁神獣鏡は鏡面(表)を棺側に向け、刀や槍は抜き身(ぬきみ)で布に巻かれていた」ことを紹介し「副葬品は単なる添え物ではなく、被葬者の遺体を保護するためのものだった。マジカルな力に期待し、被葬者を守ろうとしたと思う」と推察した。

 三角縁神獣鏡は中国の魏が邪馬台国の女王卑弥呼に贈った鏡とされる。33面の出土数は、京都府木津川市の椿井大塚山古墳の32面を超え、1つの古墳としては全国最多。発掘当時は大きな注目を集め、邪馬台国論争を再燃させた。

 黒塚古墳の出土遺物(重文、151点)と関連資料を公開する特別展「黒塚古墳のすべて」は26日まで、橿考研付属博物館で開かれている。