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縄文人骨、新たに4体 群馬・居家以岩陰遺跡 腰で切断され埋葬

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縄文人骨、新たに4体 群馬・居家以岩陰遺跡 腰で切断され埋葬

 国内最古級とみられる約8300年前の埋葬人骨が見つかった長野原町の居家以(いやい)岩陰遺跡で、国学院大学(東京都渋谷区)の考古学研究室(谷口康浩教授)が新たに4体の人骨を発見するなど、「日本人のルーツ」とされる縄文人の実像に迫る発掘調査を進めている。死者の上半身と下半身を切り分けて埋葬していたこともわかった。謎に包まれた縄文人の生活様式などの解明に今後も期待がかかる。 

 同遺跡は、群馬、長野、新潟3県にまたがる三国山地の一帯で、信濃川、利根川水系の水源地に近い。

 国学院大学の調査は平成26年に始まり、昨年は約8300年前の縄文早期中頃に埋葬されたとみられる人骨を発見。骨は、地面に掘った土壙(墓穴)の中で膝を折り曲げて身体を丸める「屈葬」と呼ばれる方法で埋葬されていた。

 今年8~9月の調査には考古学専攻の学生や大学院生ら約30人が参加。乳児とみられるものも含む人骨4体が新たに見つかった。さらに、昨年発掘した約8300年前の人骨の調査から腰部分が切断され、上半身と下半身が不自然な方向に向いて埋葬されていたことも判明した。

 共同研究を行う東京大学の近藤修准教授(形質人類学)は「埋葬の文化は、縄文より前の時代では確認されていない。この遺跡からは、日本で一番古い埋葬の仕方がわかる可能性がある」と期待を寄せる。

 また、遺跡には、生活廃棄物を捨てていたとされる灰層があり、ニホンジカやイノシシなどの動物の骨やベリー類、クルミなどの植物の種子、狩猟の道具などが多数見つかった。当時の縄文人が食していたとみられる。

 国学院大学などは人骨のDNA分析を行うとともに、発掘された遺物からわかる情報を組み合わせて研究を進めている。谷口教授は「当時の人が何を食べ、どのような資源を使っていたのか、複合的に調査している。縄文時代早期の生活の復元を目指したい」と話している。

 9月16日の一般向け現地説明会には地元住民ら約80人が集まった。これまでの研究成果は国学院大学博物館(東京都渋谷区)の特集展示で11月19日まで紹介される。

 ◇縄文人 旧石器時代後の約1万6千年前から約2500年前に日本列島に生きた狩猟採集民。多彩な文様の縄文土器を作っていたほか定住的な集落、漁労活動があったとされ、日本人の最も古い祖先とみられ注目が集まっている。縄文時代は草創期、早期、前期など6期に分類され、今回見つかった約8300年前の人骨は早期に当たる。縄文時代の遺跡は代表的な青森の三内丸山遺跡をはじめ、県内でも7千~8千年前の寺西貝塚(板倉町)などがある。