産経ニュース

いじめ・パワハラ解決へ児童の感情マネジメント 壬生小学校で授業

地方 地方

記事詳細

更新


いじめ・パワハラ解決へ児童の感情マネジメント 壬生小学校で授業

 怒りやイライラを抑える感情マネジメントの専門家として教育プログラム「カラリア」を主宰する斎藤美華さん(45)を講師に、壬生町立壬生小学校(同町本丸)で、教職員と小学5年の児童を対象にした研修と授業が行われた。斎藤さんは指導前後の教職員や児童の変化を調査。子供たちの反応に新たな発見もあり、教育論文として発表する予定だ。(松沢真美)

 感情マネジメントは、怒りの感情をコントロールする心理的トレーニング法を活用し、いじめやパワーハラスメントの防止、解決につなげることを目指す。

 同小は5年生の保健の授業「心の健康」に斎藤さんを招き、感情を相手に伝えるための効果的な表現を学んだ他、教職員の研修も行われ37人が受講した。

 授業では「イライラと上手につきあおう」と題し、主に怒りの衝動の抑制に重点を置いて授業を展開した。怒った時の行動で「言い返す」「仕返しする」「相手をたたく」などの「好ましくない行動」と「家族に腹が立ったことを話す」「誰かに相談する」「気持ちを何とか抑えようとする」などの「好ましい行動」を説明。イラッとしたら興奮を抑えるために深呼吸し、体を動かして発散させるなど感情のコントロール法を教えた。

 10日後にアンケートを実施したところ、「好ましくない行動」を取った子供が約6割減少。友達や家族とコミュニケーションを取ろうとする事例が約6割増えた。兄弟や友人とのけんかで、授業で習ったことを実践したという回答も多く、「セルフマネジメント」を意識し、人間関係を円滑にする傾向が向上していた。

 また、教職員に対しては研修前と研修2週間後にアンケート。研修後の変化について、個別筆記で「穏やかに話せるようになった」「落ち着いて物事を考えられるようになった」などいらだちを上手に対処できるようになったという回答が多数あった。

 新井義弘校長は「町で推進する論語教育を実践する中で感情のコントロールも必要という思いから授業を開いた。大人も子供も突発的な感情から落ち着いて対処することを学ぶことができて良かった」と話す。斎藤さんは「児童が想像していたよりも精神的に大人であることが分かった。調査結果を今後に生かしたい」と、成果に注目している。