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【谷山雄二朗の「バカもん英語塾」(10)】独学に勝るものはない Educate yourself

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【谷山雄二朗の「バカもん英語塾」(10)】
独学に勝るものはない Educate yourself

 NHK出版の本社前を通りかかると「今月の新刊」と題してさまざまな英語教則本が窓ガラス越しに展示されていた。ラジオ英会話、エンジョイ シンプル・イングリッシュ、基礎英語、入門ビジネス英語、実践ビジネス英語、英会話タイムトライアル、高校生からはじめる現代英語、ニュースで英会話、しごとの基礎英語、おとなの基礎英語、えいえいGO!、プレキソ英語、三ヶ月の英会話。計16冊。よくもまあ、これだけあるものだ。しかも、あまりに立派なタイトルばかり並んでいるので、わがSTUPID ENGLISH SCHOOL「バカもん英語塾」が、余計に陳腐に聞こえてくる。だいいち、これだけ分類化して律儀にカラー表紙まで作って毎月「英語指導」しているのに、なぜ日本人はTOEIC40位に甘んじているのか?根本的に何かが間違っているはずだ。そもそも、NHKは北朝鮮のCOLD LAUNCHを「コールド・ランチ」(冷たい昼飯)と意味不明の発音でニュース報道しているレヴェルにすぎない。

 では、我が国の所謂「英語コンプレックス」を克服する方法は、あるのだろうか。 突破口の一つはNHKならぬ‘NHS’ (National Health Service /英国国民保険サーヴィス)にある、と私は考える者である。日本の国民皆保険と似た制度かと思いきや、言語聴覚士として同国の病院で十年ほど勤務されたG氏によると、その実態は全く異なる。まず、医療費は無料で子供・妊婦・高齢者は薬代も免除されるという。

 また、毎月保険料を徴収しない代わりに「必要最小限」の処置しかしない。例えば、

インフルエンザの子供でも「美味しいもの食べてよく寝なさい」と言うだけで薬を一切出さないことは、よくあるという。「日本に帰って驚いたのは、とにかく予備も含め大量の薬がむやみに処方されることですね」と美女のG氏は言う。そう、わが国は政治も薬もバラマキなのだ。一昨年、過去最高41.5兆円をマークした医療費は高齢化もあり膨張し続ける一方だが、その大きな要因の一つに1錠七万円ほどする「ハーボニー」など高額な新薬の多様も挙げられる。しかもその代金の殆どを支払っているのは、世代間格差に虐げられているわれわれ現役世代。毎月払う保険料でドン・ペリニョンをラッパ飲み出来たら、との衝動が最近こみ上げてくるのも無理はない。

 バブル後の日本の弱体化は即ち、この DEMOGRAPHIC TRAP(人口動態の罠、超高齢化)が最大の戦犯なのだ。

 また、同氏はロンドンで出産後わずか3時間で退院したという。こうしたNHSの姿勢は、過保護すぎる我が国では考えられないことだ。

 そう、つまるところNHSはNHKと異なり表向きだけ立派なメニューを無数に用意するのではなく、患者一人一人に可能な限りの自助努力を促すサーヴィスなのである。そしてそれは即ち個々のIMMUNITY、つまり免疫力をあげることを最重視することを意味している。私はG氏から、大いに学ばせていただいた。

 現代の日本人は、心身ともに弱くなった。当たり前だ。薬を濫用するからだ。それもあり社会保障制度はとっくに破綻していると理解しているが、わが国の英語教育制度にしても機能していないことは訪日外国人に聞けば一発でわかる。ちなみに本コラムの目的は、英語そのものを教えることではない。日々の出来事を通じコミュニケーション能力向上につながるアイデアをOFFERすることである。

 米政府薬物使用研究所(NIDA)によると、毎日90名がOPIOID (麻薬性鎮痛剤)の濫用で命を落としており、トランプ政権はじつは非常事態宣言まで発している。

翻って日本はどうか。山手線の車内広告や、全国津々浦々の駅周辺には英語学校のポスターが麻薬の如く氾濫している。このUBIQUITOUS(ありふれた)な光景こそ、旧い島国根性から脱却できぬ我が民族の麻痺した感覚を象徴していないか。

 年間数十万も払い、適当に会話学校に通い「学んだつもり」という、中毒性のある薬に日本人は溺れていないか。そして、その反作用としてグローバル社会におけるサヴァイヴァル能力は、急減していないか。国境なきINTERNETの時代に我々は生きているのに、もったいない。

Educate yourself. 独学に勝るものはない。

信じがたいことに、日本人のパスポート取得率は23.5%ほどしかないという。

 これでは勝てない、免疫力もつきようがない。今すぐパスポートを取得し、海外ひとり旅にでかけよう。LCC使えば、香港までたった五千円でいけるのだし。また外国人観光客をナンパし、太宰府天満宮を案内するのも立派な自助努力であると、私は断言する。賞味期限内のコールド・ランチを食べている場合じゃありませんぞ。

 あ、最後にどうでもいいことですが実は私、大学時代に「NHK三ヶ月の英会話」にYujiro 役でレギュラー出演していました。その時、共演していたスティーヴ・ソレイシー氏は20年経った今もなお、わが国の教育界で奮闘しているので応援しています。

Be Dumb, Be Stupid!

公式サイト http://JapanBroadcasting.net/Stupid-English-School

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