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仙台「正論」懇話会で井上和彦氏「語り継ぐ教育が必要」

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仙台「正論」懇話会で井上和彦氏「語り継ぐ教育が必要」

 仙台市青葉区の江陽グランドホテルで12日、開かれた仙台「正論」懇話会の第49回講演会。講師に招かれたジャーナリストの井上和彦氏の解説に、約70人の来場者は熱心に耳を傾けた。

 講演後の質疑応答では、「『日本はアジア諸国に謝罪が必要』と主張する与党の政治家もおり、歴史認識について勉強不足なのではないか」という来場者の質問に対して、井上氏は「学校の教育そのものがでたらめな部分が多い」と説明。

 その上で、「実際の歴史について話をすると、『たしかにその通りですよね』と腑に落ちる。事実ではないことを言われるから腑に落ちない。歴史の戦いが続いている。あまりにも現地を見ていない人が多い」と鋭く指摘した。

 また、現代の子供たちにとっては教育の影響などもあり、先の大戦は過去になってしまったため、次世代に語り継いでいく教育が必要ではないか、との問いかけには、インドネシア・ジャワ島でオランダ軍を降伏させ、寛容な軍政を敷いた仙台市出身の今村均陸軍大将を例に挙げ、「宮城は仁愛に満ちた将軍がうまれた地。郷土愛を子供たちに伝え、日本の名将を教えることで、勇気を持って将来に羽ばたいていけるのではないか」と応じた。

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 ■講演要旨--「歴史の光 正しく伝える」

 大東亜戦争のとき、日本とタイは同盟国だった。(旧日本軍のタイ国駐屯軍司令官だった)中村明人氏が戦後10年たった昭和30年にタイを訪問したときに国民から大歓迎を受けた。しかし、こうしたことを日本のメディアは報じることなく、封印されている。

 戦後即位したタイのプミポン国王が日本を訪問した際には、中村氏に「私の代わりに靖国神社に参拝してほしい」と託した。タイの元首相、ククリット・プラモード氏は戦後、「日本のおかげでアジア諸国はすべて独立した」としている。タイと日本との間には単なる外交だけでなく、深い友情がある。

 日本は英国の植民地だったシンガポールを陥落させたが、その後、日本の植民地にはしていない。シンガポールの博物館では日本は米国にオイルなどを止められ、やむにやまれず仏印に進駐したと紹介されている。これが日本だとフランスや英国のように植民地支配をしていた国々のまねをして、東南アジアに触手を伸ばしたというような教育をしている。マレーシア航空の機内誌には「日本が英国を打ち破ったことが白人無敵神話を見事に打ち砕いたのである」と書いてあった。日本がいかに事実に目をふさいできたかがわかる。

 昭和18年11月に日本がアジア諸国の首脳に呼びかけて開催した「大東亜会議」。これが一番最初に教科書から消された。しかし、われわれは大東亜会議に誇りを持たなければならない。会議では共存共栄の秩序の建設、自主独立、伝統の尊重、経済発展、人種差別の撤廃をうたった「大東亜共同宣言」が採択された。現代の国連の精神そのものだ。アジア・アフリカ会議や東南アジア諸国連合(ASEAN)の原型になっている。

 日本は英国領だったビルマ(現ミャンマー)の独立も支援した。ビルマ独立義勇軍では、旧日本軍の軍人がビルマ名を名乗って司令官となり、アウン・サン・スー・チー氏(現政権の国家顧問兼外相)の父親、アウン・サン氏が参謀となった。旧日本軍は英軍にとらわれていたビルマの政治家、バー・モウ氏を救出し、ビルマが建国された。

 歴史には光と影がある。影ばかりが誇大に強調されているが、光の部分もきっちりと伝えるのがメディアの役目だ。歴史を正しく知ることが、今の外交や安全保障、憲法についての問題を解く大きなカギになる。