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【衆院選 激選区を歩く】1区 希望、自民、立民 三つどもえ

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【衆院選 激選区を歩く】
1区 希望、自民、立民 三つどもえ

 □区長選、都議選に続く首都決戦

 国会や都庁を抱え、首都決戦を象徴する衆院選の東京1区は長年、自民党と旧民主党が激突してきたが、小池百合子知事の希望の党旗揚げで構図は変わった。希望新人の弁護士、松沢香氏(39)、自民前職の元外務政務官、山田美樹氏(43)、立憲民主党元職の元経済産業相、海江田万里氏(68)の三つどもえに。2月の千代田区長選、7月の都議選に続く3度目の首都決戦となる。

 ■応援演説を直談判

 松沢氏が10日に港区内で行った第一声に小池氏の姿があった。都議選の千代田、港、新宿各区で大勝した都民ファーストの会都議3人や、千代田区長選を制した石川雅己区長も並んだ。

 小池氏の快進撃を象徴していたが、陣営関係者は「都議選のときのような勢いはないのでは」と漏らす。小池氏は「国政のブラックボックスを開ける。組織票ではなく皆さんの一票に価値がある」と訴えた。

 松沢氏は都の有識者会議に入った縁で小池氏と知り合い、今月上旬に出馬の打診を受けた。都民都議や弁護士仲間らが支援するが、初日にたすきが間に合わないなど準備、知名度不足が課題。「まずいと思って小池さんにメールで(演説に)来てほしいと頼んだ」

 少子高齢化対策や「原発の段階的ゼロ」などを訴える。国会の東京電力福島原発事故調査委員会で調査課長を務めた経歴があり「自民の山田さんは経産省出身で原発を推進してきた。元経産相の海江田さんは委員会が招致した。原発政策で2人とは立場が違う」

 ■組織戦を展開

 「必要なのは排除ではなく結束だ」。11日、JR田町駅西口で街頭に立った自民の山田氏は名指しこそしなかったものの、小池氏の「排除」発言を使いながらこう皮肉った。

 演説では希望など他党批判を控えめにし、外務政務官を務めた経験から、緊迫する北朝鮮情勢などを踏まえ安定政権の重要性を訴えた。一方、応援に入った自民の菅野弘一都議(港区)は「都政の停滞」を指摘した上で「国政に皆さんの気をそらせようとしている」と小池氏を批判した。

 千代田区長選、都議選で苦杯をなめた自民。今回の選挙では、千代田、港、新宿各区議を中心とした組織戦を展開。保守票の取りまとめを急ぐ。

 選対幹部は「区長選、都議選のような逆風は感じない」と述べる一方、希望の松沢氏陣営に対しては「情報が少ない。戦略を立てるのが難しい」と困惑する。

 山田氏は「今回は区長選、都議選と論点がまったく違う。激励も多く、みなさんの期待に応えたい」と話した。

 ■民進分裂

 旧民主党代表、経産相を務めた立憲民主の海江田氏は自らの強みを「やっぱり知名度だよね」と自負する。街頭に立つと、通行人たちがスマートフォンのカメラを向け、「頑張って」と声援も飛ぶ。

 前回は選挙区で敗れ、比例での復活もかなわなかった。落選中は祭りや防災訓練などの催しは欠かさずまわり、顔を売り込んできた。民進党分裂、立憲民主の立ち上げも追い風と感じており、「これまで投票先がなかった人たちの受け皿になる。選挙中は憲法問題を主に訴えていきたい」と話す。

 ただ民進分裂の負の影響も。陣営関係者によると、海江田氏の地元の新宿区や千代田区では区議たちが応援で一致しているものの、港区では希望支援の動きが出ている。選対幹部は「これだけ政党が激動する中では、それぞれで事情がある」と漏らすが、別の関係者は「選挙は始まったばかり。今は希望を応援している人も、支持率によってはこちらに移ってくるかもしれない」と期待する。