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サントリー地域文化賞に熊本・橙書店、佐賀「鹿島ガタリンピック」

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サントリー地域文化賞に熊本・橙書店、佐賀「鹿島ガタリンピック」

読者と作家との、文化的出会いの場を提供する熊本市の「橙書店」 読者と作家との、文化的出会いの場を提供する熊本市の「橙書店」

 公益財団法人サントリー文化財団(大阪)が、地域文化の発展に貢献する個人や団体を顕彰する第39回「サントリー地域文化賞」の受賞5団体を発表した。九州・山口からは熊本市中央区練兵町の橙(だいだい)書店と、佐賀県鹿島市の干潟で行われる泥んこ競技大会「鹿島ガタリンピック」を開催する「フォーラム鹿島」(坂本鉄也代表世話人)が選ばれた。29日、東京で贈呈式が行われる。

 橙書店は熊本の中心市街地の裏通りに店を構える。田尻久子店主(48)が厳選した書籍のみを扱う書店で、カフェも併設する。熊本県内で活躍する作家や評論家らが頻繁に訪れ、小説家の村上春樹氏らも来店し、作品の朗読会やトーク会を催す。

 詩人の伊藤比呂美氏が、熊本の文学を盛り上げようと発足した「熊本文学隊」の事務局も務める。田尻店主は、著名な作家たちと、熊本の書き手が作品を寄せる文芸誌「アルテリ」の責任編集も担う。

 平成20年に開業した旧店舗は熊本地震で被災し、現在地に移転を余儀なくされた。

 同賞の選考では「地域の読者と作家の文芸ネットワークを構築し、双方に豊かな文化的出会いの場を提供している」と評価され、書店では初の受賞となった。

 佐賀県鹿島市の有明海の干潟で行われる「鹿島ガタリンピック」は、地元の青年らが仕掛け人となり、昭和60年に始まった。

 青年らは、有明海名物のムツゴロウ漁に使う板に乗り、早さを競う「ガタスキー」や、ロープにつかまり、できるだけ遠くまで飛び込む「ガターザン」といった異色の競技を、子供時代の干潟遊びの思い出をもとに、次々と考案した。

 参加者を募集すればすぐに2千人の定員は締め切られ、イベントには3万人の観客が押し寄せる。また、外国人の参加者もホームステイなどを通じ、延べ6千人を受け入れた。

 同賞の選考では「地域の自然を生かしたユニークな競技大会を30年以上にわたり継続し、笑顔と元気を全国、さらには世界中に広げている」と評された。

 同賞は昭和54年に制定された。

 今年度の分を含め、全国で209件が顕彰された。