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コウノトリ異物誤食で死ぬ 兵庫県立コウノトリの郷公園発表、初の事例

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コウノトリ異物誤食で死ぬ 兵庫県立コウノトリの郷公園発表、初の事例

会見で「新たな防止策が必要」と語る山岸哲園長(右)ら=豊岡市祥雲寺 会見で「新たな防止策が必要」と語る山岸哲園長(右)ら=豊岡市祥雲寺

 ■胃から大量の建材用ゴム

 県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は20日、衰弱死したコウノトリ(特別天然記念物)の幼鳥の胃から、建材用とみられるゴム製品が大量に見つかったと発表した。野生復帰に向けた初放鳥から12年、異物誤食が原因の死亡例は初めて。郷公園は「人工物などは共生の新たな問題だ」とし、対応に迫られている。

 親鳥が誤射されたため、郷公園で保護後、島根県雲南市で放鳥された約3カ月のオスの幼鳥で、8月8日、鳥取市内で死んでいるのが見つかり、郷公園で解剖した結果、胃の中に太さ2センチ前後の発泡ゴムの断片(計84センチ)が詰まっていた。幼鳥は通常の半分の体重約2・8キロしかなく、郷公園は「ヘビかウナギと間違えて飲み込んだ可能性があり、消化の障害になって衰弱死したとみられる」と分析している。

 郷公園によると、平成17年9月の初放鳥以来、これまでに57羽を救護、30羽の死体を収容した。このうち防獣ネットや送電線、鉄塔などの工作物にぶつかる事例を中心にした人為的由来が約45%を占め、特に今年は収容22個体中14個体がこれに該当、すでに昨年を大きく上回っている。

 野外個体数は現在122羽。今年は全都道府県で飛来確認を達成するなど着実に野生復帰が進む中、初の発見となった今回の異物誤食による死亡例について、山岸哲園長は「ショッキングであり、人の生活に起因するコウノトリの収容例増加は新たな問題。防止策を検討しないといけない」との見解を述べた。