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“カレー県”鳥取の農業試験場で「カレーに合う」新しい米誕生 今秋にも一般向け販売

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“カレー県”鳥取の農業試験場で「カレーに合う」新しい米誕生 今秋にも一般向け販売

 カレーの消費が全国トップクラスで“カレー県”といわれる鳥取県で、カレーに合う新しい品種の米が作り出された。カレーと相性の良い長粒米だが、ツヤと粘りは日本人好み。今秋にも発売される予定だ。

 米は県農業試験場(鳥取市)が育成した「鳥系香(とりけいかおり)122号」。8月31日に品種登録出願をした。南アジアの最高級米「バスマティ」を日本で改良した「プリンセスサリー」に、「コシヒカリ」の大粒突然変異種「いのちの壱」を交配し、育成した。

 鳥系香122号は、バスマティに由来するポップコーンのような香りを持つとともに、いのちの壱から粘りやうまみ、もっちりとした食感を受け継ぎ、「これまでにない食味」(同試験場)という。粒の長さはコシヒカリの1・2~1・3倍ある。

 昨年と今年の年初、県内の飲食店18店に試験提供し、客らにカレーを試食してもらったところ、「とても合う」「合う」との回答が計7割を超えた。調査を実施した店舗のうち5店舗は、カレー用に継続利用を希望しているという。

 鳥系香122号は、総務省家計調査で鳥取市のカレールーの1世帯当たり支出金額と購入数量が全国一(平成15年)になったのを機に、地域活性化を図る市民グループ「鳥取カレー倶楽部」などが、カレーに合う米の新品種育成を同試験場に依頼し、19年に試験研究に着手。交配してできた数十種類の系統から選抜し、10年をかけて品種登録出願にこぎつけた。

 今年は、同市と八頭町の2農場が計約70アールで栽培。それぞれ、今秋にも一般向けの販売を始める予定だ。

 同試験場では「特別な用途で食べるプレミアムな米を目指した。鳥取県にカレーを食べに来てもらえるような、地方できらりと光る米に育ってほしい」と話している。