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【NEWSちば深読み】松戸をコンテンツの街に ゲームショウでPR

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【NEWSちば深読み】
松戸をコンテンツの街に ゲームショウでPR

 市場規模が12兆円ともいわれるゲームソフト制作を核とした「コンテンツ産業」。海外展開も見込まれるこの成長市場で活躍するプレーヤーの拠点にしようという松戸市の取り組みが進んでいる。コスプレ歓迎など「若者カルチャー」への包容力が自慢の松戸市は、21日から幕張メッセ(千葉市)で始まる「東京ゲームショウ」で、今年も松戸ブースを開設。「コンテンツの街・松戸」をPRし、バーチャル(仮想)世界のパワーをリアルな現実社会に呼び込みたい考えだ。

 ◆地方創生交付金を活用

 松戸市は昨年3月、官民が協力して市内のゲームアプリ製作会社などが参加する「松戸コンテンツ事業者連絡協議会」を立ち上げ、コンテンツ産業の街を目指した官民の取り組みが始まった。先月には、東京・秋葉原を拠点に活動するアイドルグループ「仮面女子」メンバーの月野もあさんをPR大使に起用。東京ゲームショウでのPR役を担ってもらう。

 松戸とコンテンツの関わりは古く、大手ゲーム製作会社も市内に本社を置いた。だが、事業が発展し会社が大きくなると移転してしまい根付かないのが悩みの種だった。

 平成13年、少女キャラクターフィギュアメーカー、グッドスマイルカンパニーは市内新松戸に事務所を構え、ショールームを兼ねたカフェも人気を集めたが、事業拡大で東京に移転。15年には人気アニメ・機動戦士ガンダムの世界が楽しめる「バンダイミュージアム」がJR松戸駅前に誕生したが、3年余りで栃木県内に移転した。「引き留めるバックアップ体制もなかった…」。当時を知る関係者は唇をかむ。

 その反省から誕生したのが、国の地方創生交付金を活用した連絡協議会だった。ゲーム・アニメの開発者・クリエーターには伝統的に常磐線沿線など地元出身者が多い。そうした人たちの「地域とともに事業を発展させたい」の思いが、背中を押したという。現在、協議会には31の事業所や人が参加。市内に本社があるディッジを経営する柳明宏さん(42)が会長を務め、事務局は市文化観光国際課に置かれている。

 昨年9月の2016東京ゲームショウには、協議会が県内自治体として初めて出展。協議会とディッジの協力で実現した、オリジナルストーリーを作りながら冒険するゲーム「ビットゲームメーカー」をPRした。同12月には、世界的に知られた漫画同人即売会「コミックマーケット」(東京ビッグサイト)で、協議会加盟のキッチンガイズファクトリーが開発したゲーム「秋葉原まで13時間」を紹介。両ゲームとも無料配信され好評だ。

 ◆家賃安く物件も豊富

 今年の東京ゲームショウでは、全国のゆるキャラが登場するゲームや、バーチャルお化け屋敷などの紹介を予定している。

 松戸のPRポイントは、「聖地」秋葉原に至近なのに家賃が安く、事務所用、クリエーター居住用ともに物件が豊富なことだ。このメリットをアピールするPR大使・月野さんは、メンバーがマスクをつける「仮面女子」の中でも、素顔を出すことが許された特別な存在。コスプレやゲーム雑誌にもたびたび登場する人気者であるため、大きなPR効果が期待できる。

 アニメ放送が多いチバテレビ、テレビ埼玉、MXテレビの受信環境が良いことなどもアピールポイント。私服の月野さんが市内の見どころも紹介し、コンテンツの街・松戸をPRする。

 柳さんは「市が支援していることが伝われば、さらに多くの関係者が松戸に集まるはず。松戸をコンテンツ産業の拠点にし、発展させたい」と期待を寄せる。

 2017東京ゲームショーは21、22日が関係者向けで、一般公開は23、24日に開かれる。 (江田隆一)