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鳥取県中部地震で被災の倉吉・元帥酒造が上海への出荷果たす

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鳥取県中部地震で被災の倉吉・元帥酒造が上海への出荷果たす

 昨年10月の鳥取県中部地震で被災した倉吉市の日本酒蔵元「元帥酒造」が中国上海へ進出した。江戸末期から続く地酒の魅力を海外でも味わってもらおうと、5代目社長の倉都祥行さん(68)は「伝統の酒を通じ、地震を乗り越えた元気な倉吉をアピールしたい」と意気込んでいる。

 来年で創業170年を迎える元帥酒造の蔵は、赤瓦としっくい壁の建物が並ぶ地元の観光名所・白壁土蔵群の一角にある。代々の味を守ってきた「元帥大吟醸」などの酒は、優しい口当たりと飲みやすさが定評だ。

 最大震度6弱を観測した昨年10月21日の鳥取県中部地震では、倉吉市などで20人以上が負傷。元帥酒造も蔵の壁の至る所で亀裂が入ったり、販売店に陳列していた多くの一升瓶が割れたりした。発生後約1週間は販売できず、地震が収まった後も風評被害で売り上げが大幅に落ちた。倉都さんは「開店休業状態が続き、正直どうしたらいいか分からなかった」と振り返る。

 地震から1カ月ほどたったころ、倉都さんは貿易コンサルタントでもある大学時代の友人から、上海への出荷を勧められた。年が明け、倉吉市に観光客が徐々に戻るようになり復興が進むと、以前から海外への輸出を考えていた倉都さんの思いは強まった。

 友人からさらに助言を受けながら準備を進め、今年6月に初めて20ケースを上海の日本料理店に出した。味の良さを聞きつけた別の店からも発注が来ているという。倉都さんは「食がグローバル化、多様化する中、海外の多くの人に倉吉の地酒はおいしいと感じてもらいたい」と話した。