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O157女児死亡 露出販売に指針策定へ 群馬県が緊急連絡会議

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O157女児死亡 露出販売に指針策定へ 群馬県が緊急連絡会議

 埼玉、群馬両県の系列総菜店の商品を食べた客が腸管出血性大腸菌O157に感染、前橋市の「でりしゃす六供店」の総菜を食べた女児(3)が死亡した問題で、県は15日、県内の主要保健所などを集めた緊急連絡会議を開催、今回のような露出販売での衛生管理の指針を新たに策定することを決めた。各保健所と協力し、1カ月以内の策定を目指す。

 指針は、客が自分で食品を盛りつける露出販売の総菜店などを対象に食品の並べ方や、トングの使い方などについて、具体的な衛生対策を独自に定める予定。

 飲食店などの衛生管理は県食品衛生法施行条例で定めているが、「内壁、天井、床は清潔に保つ」「まな板は消毒する」といったおおまかなもので、主に調理従事者が対象だ。

 今回の死亡事案では2次感染の可能性も指摘されていることから、県食品・生活衛生課は「調理従事者だけではなく購入者も含めた対応を盛り込みたい。早急に作りたい」としている。ただ、細部は今後、各関係機関や保健所などと相談し、決めていくという。

 緊急会議には、前橋市や高崎市の県内主要保健所のほか県衛生環境研究所などから7人が参加。今回の食中毒事案の情報共有を行ったほか、O157感染の原因究明を各機関で連携して行うことを確認した。

 冒頭、同課の中村広文課長は「死亡者が出るという急展開となったが、県としても主体的に中核市とも連係し、原因の究明と再発防止へむけて対策を講じていきたい」と話した。

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 ■高崎市が2店舗に立ち入り検査実施

 高崎市は15日、市内にある「でりしゃす」2店舗に対し、営業再開後の管理状態を確認するため改めて立ち入り検査を実施した。県内の系列12店舗に行うとしていた県方針の一環で、初の検査となるが、衛生管理状況に問題はなかった。

 同日午後、市職員2人が各店に立ち入り、衛生管理マニュアルの存在などを確認した。市によると、マニュアルは細かく定められ従業員が読んだかどうかの記録も残っていたといい、六供店で使い回しが指摘されていたトングも「1品目ごとに回収箱が設置され、混用を避けるようにしていた」。市は「今後も検査は行う」としている。その他の店舗も来週から順次、行う予定という。

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 ■なかった→印字したもの紛失→パソコンにはある マニュアルめぐり二転三転

 亡くなった東京都の女児(3)を含め11人の感染者を出した「でりしゃす六供店」。衛生管理面でのずさんさが指摘される中、厚さ1センチという立派なマニュアルをめぐり、「なかった」「印字したものを紛失した」「パソコンにはある」など所在の確認が変転する事態に。店側のマニュアル管理のぞんざいさが浮き彫りになった格好だ。

 8月23日に同店の立ち入り調査を行った前橋市は30日の会見で、同店にマニュアルが「なかった」とした。ところが、その後の調査で「印刷しファイリングされたものを紛失していた」と修正。店側は「パソコンにはデータとして入っている」としている。

 8月23日の調査の際、同店は店長も立ち会ったにも関わらず印刷されたマニュアルを提出できなかった。このため「なかった」としたが、他店舗にはあったことから、同店が紛失したと修正した。

 マニュアルは厚さ約1センチで食品衛生、食材の保管やレシピのほか、O157やサルモネラ菌などを防止する殺菌方法も記載されているという。

 同店や系列店を経営するフレッシュコーポレーション(太田市)担当者は「六供店では業務中に見られる状態になかった。簡単な作業手順を書いた紙を壁に貼ったりもしていたが、不十分と言われても仕方ない」と話した。

 同社によると、入店する従業員には、「衛生管理マニュアル」「調理手順マニュアル」などを必ず読ませるという。六供店で励行されていたかどうか、市は確認できていないという。