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北ミサイル 新潟知事「極めて強い憤り」 Jアラートは正常に伝達

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北ミサイル 新潟知事「極めて強い憤り」 Jアラートは正常に伝達

 15日朝、北朝鮮が北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射し、全国瞬時警報システム(Jアラート)の警戒対象地域となった県内では、交通機関に一時乱れが出たものの、落下物など被害の情報はなく、太平洋側で操業中だった本県籍の漁船にも異常はなかった。Jアラートや防災行政無線などの不具合も起きなかった。米山隆一知事は「極めて強い憤りを覚える。平和と安全を脅かす暴挙だ」と北朝鮮を批判し、厳重に抗議する考えを表明した。

 Jアラートの作動を受け、県庁では県危機対策課の担当職員らが情報収集に追われた。県は午前9時から、佐久間豊危機管理監をトップとする情報連絡室会議を県庁で開き、県内での被害や大きな混乱がなかったことを確認した。

 同課によると、Jアラートや文字情報を送る「エムネット」のいずれも、県内全ての市町村で正常に伝わった。8月29日のミサイル発射時に、防災行政無線からJアラートの情報が自動的に流れるシステムが作動しなかった糸魚川市では、トラブルの原因となったパソコンを直後に代替機に取り換えており、この日は情報を市民に伝えるアナウンスがスムーズに流れた。

 ミサイルの発射を受け、上越新幹線や管内の在来線は全て運行を一時見合わせた。ただ、JR東日本新潟支社によると、おおむね10分前後、最大17分の遅れで列車の運転は再開された。

 県教育委員会によると、五泉市の小学校1校が1時間の遅れで授業を始めたほかは、ミサイル発射による授業への影響はなかった。

 米山知事は記者会見で「平静に生活を続けることが最大の対処法だ」と県民に改めて呼び掛けた。また、新潟市の篠田昭市長は「国際社会の声を無視する北朝鮮の暴挙を強く非難する。市民生活に緊張を走らせ、不安を与える挑発行動は断じて許せない」とのコメントを発表した。

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漁業関係者瞬時に情報 整備を

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 相次ぐ北朝鮮のミサイル発射に県内の漁業関係者は不安と戸惑いを隠せない。陸地から遠く離れた沖合では携帯電話の電波が届かず、Jアラートを受信できない可能性もあり、漁船にも瞬時に情報が伝わるシステムの整備を求めている。

 佐渡市の佐渡漁業協同組合に所属する漁師らは15日も佐渡島周辺でカニやエビのかご漁、イカ釣りなどを行った。同島から40~50キロ離れると携帯電話はつながらないこともあるという。

 内田鉄治専務理事は「漁船にも無線ですぐに伝わる仕組みを早く作ってほしい」と要望。水産庁が導入を検討しているとされるものの、危険は目の前にあり、現場はやきもきしているのが実情だ。

 沿岸での漁を中心とする糸魚川市の上越漁業協同組合能生支所の職員、平塚努さん(50)は「強い怒りと不安を感じる」と語気を強める。地元で「メギス」と呼ばれるニギスの底引き網漁が今月1日に解禁されたが、この日は波の状態が悪く出漁しなかった。

 同組合では来週早々に甘エビ漁に入る予定。「万が一のときに無線で連絡を受けても漁師は逃げようがない」と平塚さんは嘆いた。