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北ミサイル発射 Jアラート支障なし 長野県内全市町村で放送伝達

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北ミサイル発射 Jアラート支障なし 長野県内全市町村で放送伝達

 北朝鮮が15日、弾道ミサイルを発射したことを受け、県内では、交通機関の一部に乱れが生じたものの、大きなトラブルは発生しなかった。県は、全国瞬時警報システム(Jアラート)が順調に作動したことを確認。防災行政無線などにも不具合は起きなかった。一方、県民には戸惑いが広がり、北朝鮮の暴挙を憤る声が聞かれた。(太田浩信、三宅真太郎)

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 県危機管理部は午前7時、Jアラートの第1報を受信すると同時に職員らを緊急参集し、県内の全市町村や消防本部、県警からの被害情報の収集に追われた。総務省消防庁には、同7時53分の時点で77市町村全てでJアラートが遅滞なく作動したことや、被害情報が入っていないことを報告した。

 同部によると、8月29日の弾道ミサイル発射時に、防災行政無線などに不具合があった上松町などの市町村でも住民への伝達は遅滞なく行われた。落下物などによる被害情報は入っていないという。

 阿部守一知事は午前9時半から開かれた県幹部による会議に出席。引き続き県民の安全確保に最大限の対応をとるよう全部局長に指示した上で、「市町村と連携して情報収集に努め、すべての対応を検証しなければならない」と強調した。

 阿部氏は会議終了後の記者会見で、北朝鮮の行動に対して国連が非難決議をしていることを挙げ、「北朝鮮に対する世界的な協調関係の中での取り組みを、政府には積極的に進めてほしい」と述べた。

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 県内を走る北陸新幹線や在来線は午前7時ごろ全線で運転を見合わせたが、安全確認後、7時10分ごろから全線で運転を再開した。

 JR東日本長野支社によると、同支社管内の北陸新幹線は最大12分、在来線は同25分の遅れが生じた。そのほかの鉄道でも、しなの鉄道に最大20分程度の遅れが生じるなどしたが、大きな混乱はなかったという。

 県教育委員会によると、県内の公立小・中学校で、休校や授業開始を遅らせたとの情報は入っていない。佐久市の佐久長聖中学・高校は、2時間目までの授業を休止し、3時間目から行う対応をとった。

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 ミサイル発射時にテレビを見ていたという長野市の清掃会社勤務、野本美津子さん(67)は「テレビの画面が急に切り替わって驚いたが、どうすることもできなかった」と振り返った。

 松本市のホテル従業員、大山慎也さん(30)は「就寝中に携帯電話のJアラートが鳴って、ミサイル発射を知った。またかという感じ。不安はあったが、日本の防衛体制を信頼している」と話す。

 一方で、長野市の主婦、伊藤友香さん(31)は「何かあったら怖いと思い、カーテンを閉めて、窓がない部屋に避難した。外でサイレンが鳴っていて、戦争の空襲警報のようで怖かった」と不安げな表情を浮かべた。

 長野市在住の70代男性は「(北朝鮮に)怒りを感じる。日常化させないように国としても国際社会に働きかける必要がある」と憤った。