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長野県森林税、来年度以降も継続 知事方針 税率など制度変更検討か

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長野県森林税、来年度以降も継続 知事方針 税率など制度変更検討か

 今年度で第2期目の課税期限が切れる「森林づくり県民税(森林税)」の継続の是非をめぐり、阿部守一知事は15日までに、第3期目となる来年度以降も課税を継続する方針を固めた。継続に当たり、積み残されている基金残高などが問題視されていることを踏まえ、税率引き下げといった制度変更も同時に実施するとみられる。ただ、国が地球温暖化対策として市町村の森林整備財源に充てる「森林環境税」の導入を検討していることもあり、慎重に最終判断する考えだ。

 森林税は、里山の間伐など森林整備を進めるため、平成20年度に創設された。県民税に上乗せする形で個人に対し年額500円、法人は均等割額の5%相当を徴収している。24年度に徴収期限を迎えた際は、25~29年度の延長を行った。

 阿部氏はこれまで、県に設置した2つの有識者会議の検討結果と県民アンケートを踏まえ、最終判断する考えを表明している。だが、両有識者会議の結論は、賛否が分かれる形となり、阿部氏の動向が注目されていた。

 県地方税制研究会(座長・青木宗明神奈川大教授)は、継続是非の方向性を明示することは見送り、継続する場合に解決すべき問題点を明示した。

 具体的には、基金残高が今年度末で約6億円に達することを念頭に、税率の引き下げを提案するとともに、市町村に配分される「森林づくり推進支援金」は、使途の自由度が高いため、目的外に支出される可能性もあるとして、「根本的な改善が求められる」とした。

 一方、林業関係者らも委員とする「みんなで支える森林づくり県民会議」(座長・植木達人信州大教授)は、里山整備や搬出間伐の重点化の必要性を指摘し、継続すべきだと提言。税率引き下げにも否定的な考えを示している。

 阿部氏は、長野が全国で有数の「林業県」であることを重視し、「廃止しては林業関係者の理解が得られない」(関係者)と判断。県民アンケートでも、7割超が継続に理解を示していることも後押しした形だ。

 ただし、継続に当たっては、透明性を確保すると同時に、実効性を高めなければ、県民の理解は得られないとみており、継続を前提に制度の見直しを図ることにした。

 21日開会の9月定例県議会冒頭にも継続の意思を表明するとみられる。(太田浩信)