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北ミサイル 対応常態化「慣れが怖い」 東北各県知事、危機感も

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北ミサイル 対応常態化「慣れが怖い」 東北各県知事、危機感も

 早朝の東北6県にまたしても、全国瞬時警報システム(Jアラート)が発令され、緊急速報が流れた。15日、繰り返された北の弾道ミサイル発射。先月29日の経験もあってか、各県では目立った情報伝達のトラブルや混乱もなかった。だが、ミサイル発射と対応が常態化することに対して、「慣れが怖い」と危機感を口にするトップもおり、緊張感の維持も課題となりそうだ。

 青森先月のミサイル発射の際、防災行政無線の老朽化によって一部地域でJアラートが鳴らなかった青森県むつ市だが、同市を含め、県内でトラブルの報告はなかった。日本海、太平洋で計43隻の漁船が操業していたが、安全が確認された。

 青森市内の男性会社員(51)は「こういうことが起きると1日中、憂鬱な気分になる。いい加減にしてほしい」と足取りが重かった。

 岩手県は午前7時12分、石川義晃総合防災室長をトップとする情報連絡室を設置。午前8時15分には本部連絡員会議を開き、庁内各部局へ被害情報の収集を指示。石川室長は北朝鮮の暴挙に「憤りを感じる」と語った。

 ゴミ収集の時間帯とあって、従業員30人を抱える盛岡市内のある廃棄物処理業者は「建物が近くにあれば入りなさい、なければ車の中にいなさいと指示するぐらい」と困惑気味だった。

 秋田県は消防や警察、秋田海上保安部など関係部署と連絡を取り、午前7時45分までに被害がないことを確認。午前8時40分から担当課長らによる庁内連絡会議を開いた。

 佐竹敬久知事は「破片が落ちるなど、被害が起きる確率はゼロではない」とした上で、「(ミサイル発射は)日本を混乱させる挑発行為で困ったものだ」と語った。

 宮城県は午前8時半、課長級18人を招集し、危機管理対策会議を開いた。各市町村や東北電力女川原発にも異常はなく、警察への被害に関する110番通報もなかった。

 村井嘉浩知事はミサイル発射に強い憤りを表明した上で、グアムが射程圏内に入ったことに絡み、仙台空港-グアムの定期便が就航していることに触れて、修学旅行や観光への影響を懸念した。県民に対しては、「恐れているのは慣れだ」と注意を喚起。「実害がないと、たかをくくることが一番危険。日本を狙う可能性もある」とし、避難行動について、自身の自衛隊経験を踏まえ、「10センチ、15センチでも低く身をかがめるだけで被害は変わる」と言及した。

 山形県では危機管理課の職員が駆けつけるとともに、自衛隊山形地方協力本部の連絡官が災害派遣に備えて県庁入り。吉村美栄子知事は「県民の安全安心の確保に万全を期してほしい」と指示した。

 先月29日のミサイル発射では、県庁舎に避難しようとした県民が県庁舎に入るのをためらっていたことを踏まえ、この日は午前7時過ぎには、県庁舎裏手に「そのままお入りください」とする案内が出され、県民2人が避難した。

 福島県危機管理課などによると、モニタリングポストによる放射線の空間線量に異常はなく、東京電力から県原子力安全対策課に入った連絡では東京電力福島第1、2原発にも異常はなかった。

 Jアラートは、東日本大震災の影響で機器接続が完了していない双葉町を除く全58市町村で正常に受信、住民への伝達機器も正常に作動した。

 北海道沖で操業中のサンマ漁船6隻は無事で、県立高や公立小・中学校で休校の措置をとったところはなかった。