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川崎・夢見ケ崎動物公園が新制度 飼育環境を善意でサポート

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川崎・夢見ケ崎動物公園が新制度 飼育環境を善意でサポート

 川崎市内唯一の動物園「夢見ケ崎動物公園」(幸区)で飼育施設の老朽化が進み、園関係者らが頭を抱えている。改装や人員増による来園者へのサービス向上を望む一方で、入園無料の市営施設という事情から、資金調達が思うように進んでいない。園は今夏から寄付やボランティアによるサポーターの募集を本格化させているが、来園者の満足度や施設の充実度をどこまで高められるかは未知数だ。(外崎晃彦)

 園には16人の市職員が在籍。事務を除く13人が飼育員として餌やりや清掃などを行っている。運営資金は市の予算と寄付金などでまかなわれている。

 ◆有料化できず

 市外の別の動物園では、動物が過ごすスペースを広く確保し、窓から視界を遮らずに動物が見られるなどの展示形態が増えているが、同園は大部分が格子状のケージに入れる旧来の方式だ。ケージの新設や改築には、動物1種類につき1千万~6千万円程度かかるといい、大規模なものでは億円単位になるという。

 岩瀬耕一園長は「資金調達のために入園を有料化できればいいが…」と話すが、それを許さない事情がある。有料化には敷地を塀で隔てる必要があるが、園の敷地内には4カ所の寺社があり、参拝に支障が出るためだ。

 難航する資金調達や人員確保の課題を打開するため、園はボランティアや寄付により支援してもらうサポーター制度「ゆめサポ」を導入。8月17日にキックオフイベントを開き、来場者に周知を図った。寄付者は、サポーター限定イベントの参加権や園情報の配信が受けられる。岩瀬園長は「始まったばかりの制度。知名度を上げ、みなさんで園をサポートしていただけたらうれしい」と話している。

 ◆「気軽さ」が好評

 横浜市港北区の主婦、金沢由美さん(42)は、小学生と幼稚園の娘2人を連れ、たびたび同園を訪れるという。「大きな動物園に行くときは早起きしたり弁当を用意したり、身構えてしまう。ここは気が向いたときに気軽に来られる」と笑顔を見せた。

 同園の集計によると来園者は平成28年度が29万8千人。昭和63年度の62万9千人をピークとして平成22年度には20万人を割ったが、近年は微増傾向という。来園は川崎市幸区(29%)と同市中原区(21%)からが半数を占め、市外からは28%。近隣の人が利用の中心だ。

 岩瀬園長は「動物の数や種類は多くないが、いつでも気軽に入れる。広場も併設し、一日いっぱい楽しめる施設です」と話し、来園を呼びかけている。

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 ■夢見ケ崎動物公園 昭和47年、夢見ケ崎公園内に動物コーナーが設けられ、49年に動物園として正式発足。入園無料。24時間開園し、川崎市唯一の動物園として市民に親しまれている。哺乳類、爬虫(はちゅう)類、鳥類の計62種292点を飼育(7月末現在)。レッサーパンダやシマウマ、ペンギン、ゾウガメなどが人気を集めている。問い合わせは同園((電)044・588・4030)。