産経ニュース

被爆ピアノの演奏映画化へ モデルの調律師・矢川さんが広島県知事表敬

地方 地方

記事詳細

更新


被爆ピアノの演奏映画化へ モデルの調律師・矢川さんが広島県知事表敬

 原爆に遭った「被爆ピアノ」のコンサートを全国各地で開催している被爆2世の調律師、矢川光則さん(65)=広島市安佐南区=の活動が映画化されることが決まった。来年9月に市内でクランクインし、公開は平成31年夏の見通し。県庁の湯崎英彦知事を表敬訪問した矢川さんは「広島の平和の心をしっかり映画の中で伝えてほしい」と期待を込めた。

 父が広島市内の旧西消防署で被爆した矢川さんは、13年8月6日に平和記念公園(広島市中区)で初めて被爆ピアノを使った演奏会を開き、全国を巡回するようになった。現在、被爆者ら元の持ち主から託された被爆ピアノ6台を修復して所有し、毎年100回以上の演奏会を開催して平和を訴えている。

 映画の監督・脚本を手がける五藤利弘氏は、民放ドキュメンタリー番組の取材で矢川さんと知り合い、被爆ピアノが奏でる音色や自ら4トントラックで各地を巡る矢川さんの活動に感銘。映画化を打診したという。

 タイトルは「お母さんの被爆ピアノ」(仮称)。現在、脚本を執筆中だが、矢川さんが演奏先でさまざまな人たちと出会い、被爆ピアノを通して物語が展開されていくという。

 矢川さん役には俳優の大杉漣(れん)さんが内定。爆風で飛び散ったガラス片による傷が残る被爆ピアノやトラックも実物を使用するほか、矢川さんのピアノ工房での撮影も予定している。

 湯崎英彦知事は「被爆ピアノが奏でるすばらしい音色の裏に、矢川さんの力があるということを知ってもらえたら」。五藤監督は「自分の全身全霊を尽くして作品に臨みたい」と話した。