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【直撃!体験!ちばの現場】県警バスツアー 警察学校入校 治安維持の厳しさ、肌で体感

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【直撃!体験!ちばの現場】
県警バスツアー 警察学校入校 治安維持の厳しさ、肌で体感

 警察官の卵を養成する警察学校とはどんな場所だろうか。県警警務課が、警察官志望者を対象に企画したバスツアーを行っており、その一部を取材した

 警務課の坂本晃生管理官によると、バスツアーは県警のリクルート活動の一環で2年前から行っている。朝8時半、県警本部前(千葉市中央区長洲)に集まった参加者は、高校2年生から社会人、保護者2人を含む男女計84人。大型バス2台に乗り込んでスタートした。

 目的地の警察学校に向かう前に、まず見学したのは同市稲毛区の第二機動隊。災害現場で、高所で動けなくなって取り残された人を担架やロープを使って救出する訓練を見学した。

 その後、目的地の警察学校(東金市士農田)へ移動。食堂で一緒に昼食のカレーライスを食べ、訓練や授業を体験することになった。

 ◆迫力の警護訓練

 公安2課の警護訓練では、外国の要人が、不審者に襲撃されたと想定した訓練を見学。突然、死角から走り出し発砲する不審者役を、警戒中の警察官が取り囲み素早く取り押さえた。その素早い動きは、参加者から歓声があがるほどの迫力。要人を取材中の記者役もしっかり守ってもらっていた。警務課によると、警護員の志望者が多いことから、今回は警護訓練の見学を新たに加えたそうだ。

 続いて体育館に移動し、逮捕術を体験。ナイフを持った不審者を取り押さえる訓練で、記者も練習用のソフト警棒を握らせてもらった。長浜康弘術科教養課長(56)扮(ふん)する不審者のすねを打って撃退…のつもりが、避けきれなかった。「実際の場面だったら、刺されているね」と長浜課長。こうした訓練をマスターしなければ、リアルな事件現場では役に立たないことが分かった。

 各プログラムの合間の移動時に、警察学校の学生とすれ違った。学生は立ち止まって「お疲れさまです」とハキハキと大きな声で挨拶してくれ、こちらも思わず背筋が伸びた。きびきびと小走りで廊下を移動していた様子も印象的だった。階段の踊り場で下級生らしい女子学生が、上級の女子学生らに囲まれ叱られているのも目撃し、まさに上下関係の厳しい「スポ根」のような空気を感じた。

 ◆高い早期離職改善へ

 警察学校は全寮制。採用区分によって異なるが、計8~13カ月間、共同生活を送る。ただ、厳しい生活環境に音をあげる学生も多いという。今回のツアーで警察学校の“キャンパスライフ”を垣間見ることで、入校後の生活を知り、覚悟を持ってもらうことも目的の一つ。参加者は寮も見学する機会があった。

 こうしたツアーを行う背景には、高い早期離職率という課題がある。警務課によると、県警に平成26年4月に採用され、3年以内に離職した者のうち過半数が、警察学校在籍中に辞めたという。

 ツアーは、警察の職務や警察学校での生活が、思い描いていたものと違うというミスマッチを防ぐ狙いもある。県警では警察学校の体験入校も18年から実施しており、警察学校の実像をあらかじめ知ってもらう機会を作ってきた。

 参加した千葉市若葉区の大学3年、赤海友花里さん(21)は「警察学校の学生と会うことができて、学校のイメージができ興味も増した」と話していた。

 午後6時ごろ解散の一日がかりのプログラムで、参加者は規律の厳しさを感じ取り、治安維持の厳しさを肌で感じたようで、治安を守る職務への理解が深まったことは間違いなさそう。志望者の使命感をより後押ししたものと期待したい。

 (橘川玲奈)