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車いす遍路に安心・安全を 奈良の先達・灘健二さん全札所を調査、冊子に 香川

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車いす遍路に安心・安全を 奈良の先達・灘健二さん全札所を調査、冊子に 香川

 砂利道や石段、門の敷居などのちょっとした段差-。四国八十八カ所霊場を巡礼する車いす利用者がこうした不便な場所を避け、スロープや平らな道をなるべく通れるように案内する冊子が完成した。

 作製した灘健二さん(68)=奈良県王寺町=は「車いすでの遍路を諦めていた人の一助になれれば」と話している。

 遍路道の案内役である「公認先達」の灘さんは母親の死をきっかけに約10年前に遍路を始め、88の札所を一巡する「結願」を119回達成した。

 その中で、階段を上れずに途中で引き返したり、でこぼこの道を必死に進んだりしている車いすのお遍路さんの姿を何度も目にしてきたことから、冊子の作製を思い立った。

 障害者目線で現地を調査しようと、昨年9月から約2カ月、重さ約20キロのかかしを載せた車いすを1人で押して全札所を回った。危険個所があれば積極的に改善を要請し、中には本堂により近い場所での駐車許可やスロープ設置に取り掛かった札所もあった。

 A4判52ページの冊子は今年1月に完成。駐車場や本堂などの位置、車いすが通行しやすいルートを地図で示し、身障者用トイレの有無などの情報も盛り込んだ。弘法大師空海が開いた高野山(和歌山県高野町)などの情報も付記。希望者に無料配布しており、すでに約500部を配った。

 昨年4月には障害者差別解消法が施行され、障害者を取り巻く環境は改善しつつあるが、閉鎖的な考え方の札所はまだあるという。灘さんは「車いすだと山門すらくぐれない所もあった。高齢化社会では車いす利用者も増えるので、もっと実情を知ってほしい」と理解を訴えている。

 冊子の希望者は名前、住所、電話番号を明記してファクスで申し込む。ファクス番号は06・6758・4034。