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夏目漱石への思いそれぞれ 旧和歌山県会議事堂で生誕150周年シンポ

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夏目漱石への思いそれぞれ 旧和歌山県会議事堂で生誕150周年シンポ

 夏目漱石の生誕150周年に合わせて、漱石をしのぶシンポジウム「漱石と私、私と漱石」が12日、国の重要文化財で漱石ゆかりの旧県会議事堂(岩出市根来)の議場で開かれ、県内のファンらが漱石への思いや作品理解などについて意見交換した。

 漱石は明治44年8月、初めて和歌山を訪れ、和歌山城の近くにあった当時の旧県会議事堂で、約2千人の聴衆を前に「現代日本の開化」と題して講演している。シンポジウムは、平成12年設立の「和歌山漱石の会」の主催で、漱石の来和100周年となった23年から毎年開催されている。

 この日、同会の恩田雅和主宰は、漱石が多くの小説で男女の三角関係を題材としたことに触れ、「小説『こころ』の中で、同じ女性に恋した2人の男性は、越後の出身。明治44年に和歌山に来る2カ月前に越後などに講演に行った経験が影響したのではないか」と自らの視点を紹介した。

 出席した会員らも一人ずつ演台に立ち、「漱石は心理描写がすごく丁寧。淡々と書かれているように見えて、中身はとても深い」「漱石と自分の考えは異なることもあるが、博学で、卓越した文才だと感じることはずっと変わらない」とそれぞれの考えを述べたほか、漱石の作品の中から好きな小説や言葉を発表した。