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キャッシュカード詐取 電話後に自宅を直接訪問 被害者は全員70、80代女性 山梨

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キャッシュカード詐取 電話後に自宅を直接訪問 被害者は全員70、80代女性 山梨

 後を絶たない電話詐欺。高齢者らが金融機関のキャッシュカードをだまし取られる被害が急増している。県警による今年上半期(1~6月)の「電話詐欺被害状況」によると、前年まで3年間ゼロだったキャッシュカード詐取の被害が、7件(435万円)もあった。金融機関で被害を抑止する水際対策が進んだため、犯人グループが直接カードをだまし取る手口に移行しているとみて、県警が注意を呼びかけている。 

 ◇公務員など装う

 県警生活安全企画課と捜査2課によると、今年上半期の電話詐欺による被害は32件(前年同期比14件減)だった。

 このうちオレオレ詐欺が半数以上の19件(同2件増)だった。

 「オレオレ」は息子などを偽るほか、公務員や銀行員を名乗って信用させるケースも含まれる。被害が確認されたカード詐取の7件も、犯人が電話で警察官、郵便局員、金融機関職員などを偽った。多くが番号非通知。被害者は全員、70代と80代の女性だった。

 ◇暗証番号を教え

 大月市の80代女性は3月、都内の百貨店と警察官を名乗る男から続けて「あなたのキャッシュカードを使って買い物をした人がいる」と電話を受けた。

 さらに、自宅を訪れた金融機関職員を名乗る男に「カードを止める必要がある」と言われ、カードを手渡し、暗証番号を伝えた。その後現金が引き下ろされ、女性は100万円をだまし取られた。

 富士吉田市の70代女性も4月、金融機関職員を名乗る男から、「亡くなったご主人の口座にお金が残っている。振り込むにはあなたの口座が必要だ」と求められ、カードを手渡し、暗証番号を教えた結果、約35万円を詐取された。

 ◇難しい水際対策

 被害の背景には、犯人グループに対する金融機関のガードが強まり、「振り込め詐欺」が簡単にできなくなっていることがある。

 県内の金融機関では、現金自動預払機(ATM)で高額の振り込みをしようとしている高齢者に、職員が積極的に声を掛けるなどしている。

 また、一定期間に一度もカードで振り込みをしていない70歳以上の顧客については、カードで一定額以上の振り込みができないようにしている。

 こうした取り組みは、税金や保険料などを返金すると偽る還付金詐欺の防止にも効果を発揮。上半期の還付金詐欺は5件(被害額498万円)で、前年同期の18件(同2748万円)から大きく減少している。

 それだけに、県警はカード詐取の増加について「被害者から直接だまし取るので、水際対策が難しい」と懸念する。

 「警察や金融機関が自宅にカードを取りに行くことは絶対にない。カードのことを語る連絡がきたら、すぐに110番通報してほしい」と注意を呼びかけている。