産経ニュース

ハンセン病伝える彫刻制作 手を型取り苦難の歴史伝える 熊本

地方 地方

記事詳細

更新


ハンセン病伝える彫刻制作 手を型取り苦難の歴史伝える 熊本

杉野芳武さん(右)の手の型を取る熊本大教育学部美術科の緒方信行教授ら 杉野芳武さん(右)の手の型を取る熊本大教育学部美術科の緒方信行教授ら

 国立療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)で、ハンセン病元患者の入所者から型取りして作る「手の彫刻」の制作風景が報道陣に公開された。後遺症で変形した手は差別や偏見の一因となった。ハンセン病の苦難の歴史を後世に伝えようとする取り組み。

 彫刻のモデルとなったのは、杉野芳武さん(86)と妻の桂子さん(76)。桂子さんによると「こんな手をさらすのはどうかとも思った」という。それでも「少しでもハンセン病の啓発活動に役立てば」と協力を決めた。

 熊本大教育学部美術科の緒方信行教授(62)と研究室の大学院生2人が、液体状の型取り素材に手を入れてもらい、ゴム状に固まってからナイフ状の器具で切り離す作業をした。

 夫婦の手は後遺症により痛みや温度を感じない。作業は、手を傷つけないよう慎重に実施された。

 大学院生の岩間美咲希さん(23)は「彫刻を見たり、触ったりして、少しでもハンセン病への理解が進めばうれしい」と話した。今回の型を基に、ブロンズ彫刻として10月中にも完成させ、11月に開かれる園の文化祭で披露する。