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九州豪雨 被災者に「安心」届けたい 長崎の医師らバイクで山道駆ける

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九州豪雨 被災者に「安心」届けたい 長崎の医師らバイクで山道駆ける

福岡県東峰村の集落で、高齢の男性を診察する医師の泉川卓也氏(右) 福岡県東峰村の集落で、高齢の男性を診察する医師の泉川卓也氏(右)

 豪雨災害で甚大な被害が出た福岡県東峰村の集落や避難所で、長崎県南島原市の病院長、泉川卓也氏(44)が、被災者の診療に汗を流した。東日本大震災や熊本地震で活動した経験を生かし、「住民に安心感を与えたい」と山道をバイクで駆け回る。

 9日午後、複数の犠牲者が出た東峰村宝珠山の住民らが集まる地区の避難所。男性看護師や医師らはせっけんや水を配り、高齢者の脈を測ったり優しく声を掛けたりした。

 山あいにある東峰村は人口約2200人のうち、高齢者が40%を超える。流木や土砂で交通網が寸断された。

 今回の災害直後、泉川氏ら計9人はワゴン車3台にミニバイク2台を積み込み、東峰村へ向かった。泉川氏は「(行政が派遣する)医師がなかなか寄らない場所を見つけて支援するのが自分たちの強み」と話した。

 平成23年の東日本大震災の支援に加わったことをきっかけに、翌年、病院内に緊急医療チームを発足させた。28年の熊本地震でも現地入りし、公的な医療チームの手が行き届かない小さな避難所があることを知った。

 高校3年で18歳だった平成3年、雲仙・普賢岳の大火砕流が発生した。父親が院長だった南島原市の病院経営は危機に陥った。被災地での支援活動は当時、全国から医療物資を送ってもらった「恩返し」でもある。

 被災地では食事の時間もないほど忙しい日々だが、「点滴1本で助かる命もある」と、今後も支援を続けていく考えだ。