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前方部にも埋葬施設 條ウル神古墳、15日から石棺片公開 奈良

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前方部にも埋葬施設 條ウル神古墳、15日から石棺片公開 奈良

 古代豪族・巨勢(こせ)氏の首長クラスの人物の墓とされる御所市の前方後円墳・條(じょう)ウル神(がみ)古墳(6世紀後半 全長約70メートル)で、前方部にも後円部と同様に被葬者を埋葬した石室と石棺があったことが14日、同市教委の調査でわかった。盗掘を受け破壊されていたが、凝灰岩製の石棺片などが多数見つかり、15日から橿考研付属博物館(橿原市)で始まる速報展「大和を掘る35」で石棺片を初公開する。

 御所市教委によると昨年5~7月に同古墳の前方部に長さ約5メートル、幅約1.5メートルの調査区を設定し、発掘調査したところ、深さ1.7メートル以上の「落ち込み」を確認。中から円筒埴輪(はにわ)や古墳時代の須恵器に混じって、凝灰岩製の石棺の破片や、花崗(かこう)岩製の石室石材の破片が多数見つかった。

 このことから同市教委は落ち込みは前方部につくられた石室跡で、中に被葬者を納めた凝灰岩製の石棺があったとみている。近世以降の石材の抜き取りのため、石室・石棺が破壊されたと推定されるという。

 條ウル神古墳の後円部では平成13年の調査で、石舞台古墳に匹敵する巨大な横穴式石室と8つの突起(とっき)を持つ特異な家形石棺が見つかり、注目を集めた。被葬者は大和政権を支えた豪族・巨勢氏を率いた首長クラスの人物とみられている。

 橿考研付属博物館で、須恵器とともに展示される石棺片は表面が赤く彩色されている。同市教委は「前方部の石室には赤く塗られた石棺が置かれていたと考えられる。條ウル神古墳の被葬者の第1候補は巨勢氏で、後円部の被葬者が『兄』ならば、前方部にはその『弟』らが埋葬されていた可能性がある」としている。

 「大和を掘る35」では昨年度行われた県内の主要な発掘調査の成果を紹介する。9月3日まで。問い合わせは同館(電)0744・24・1185。