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大台ケ原・大杉谷地域、食害増でシカ包囲網拡大 上北山村・環境省・林野庁が協定 奈良

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大台ケ原・大杉谷地域、食害増でシカ包囲網拡大 上北山村・環境省・林野庁が協定 奈良

 ■個体数調整へ捕獲連携

 奈良・三重両県の県境に位置する吉野熊野国立公園内の大台ケ原と大杉谷地域で、ニホンジカによる森林被害が深刻化していることを受け、上北山村、環境省近畿地方環境事務所、林野庁三重森林管理署の3者は、連携してシカを捕獲し、個体数を調整するための協定を結んだ。

 大台ケ原一帯は昭和30年代まではトウヒなどの針葉樹林に覆われていたが、増えすぎたシカが樹木の皮を剥いで食べることで木が枯れる被害が増加。森林は急速に衰退し、現在はササの草地が広がっている。

 事態を憂慮した環境省は平成14年度から、奈良県の大台ケ原の国有林でシカの捕獲を開始。隣接する三重県の大杉谷国有林でも同様の被害があり、所管する林野庁が26年から捕獲を行っている。

 一連の対策によって両地域での生息数は減ってきているものの、その後の調査で、捕獲対象外だった大台ケ原の上北山村村有林でもシカの食害が拡大していることが判明。村有林は大杉谷地域とも隣接していることから、各森林を所管する3者で連携した捕獲作戦を実施することとなった。

 協定によって、今後は両地域で期間を合わせて効率的な捕獲を実施。村有林での捕獲は環境省が担当し、同村は大台ケ原・大杉谷両地域で捕獲されたシカの処分地を提供する。捕獲は今月中旬から30日間試験的に行い、個体数の調整目標などを決めるという。

 同村担当者は「放置すれば森林が衰退し、土砂流出などの被害が生じる。今まで手を付けていなかった村有林でもシカの個体数を調整し、森林のダメージを回復させたい」と話した。