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たいまつ手に炎の列 香川・土庄町で「虫送り」

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たいまつ手に炎の列 香川・土庄町で「虫送り」

 半夏生(はんげしょう)(夏至から11日目)の農村行事として香川県土庄町の肥土山地区に伝わる「虫送り」が2日夕、行われた。約100本の「火手(ほて)」と呼ばれるたいまつを手にした農家の人や子供ら約400人が小豆島で最大の水稲耕作地域のあぜ道を歩いた。

 農家では「半夏、半作」といって、この日までに夏野菜の苗などの作付けや田植えなどを終えるのが習わし。虫送りは、火手の炎に害虫を呼び寄せて焼く意味もあり、害虫駆除の薬剤がなかった時代、鯨油を水田の表面に浮かせたり、誘蛾(ゆうが)灯を使ったりした農家の工夫の一つで、併せて豊作を祈願する伝統行事。

 小豆島霊場46番札所・多聞寺で虫供養した際の灯明を、国指定の重要有形民俗文化財「肥土山の舞台」がある離宮八幡神社境内に運んで火手に点火して出発。幻想的な炎の列は観光客や写真愛好家ら大勢の人に見守られて、集落の境界となる蓬莱(ほうらい)橋までの約1・3キロを歩いた。

 かつては一帯を潤す伝法川に沿って、上流の小豆島町中山地区から肥土山地区を経て下流へ連続して行っていたという。土庄町は昭和45年に無形文化財に指定している。中山地区では9日夕に行われる。