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ダム放流事故 「想像力欠如」と謝罪 新潟県が会見、事前警告徹底へ

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ダム放流事故 「想像力欠如」と謝罪 新潟県が会見、事前警告徹底へ

 県が管理する治水ダムの放流を知らされないまま、増水した新発田市滝谷の加治川で母子が流された17日の事故に関し、県新発田地域振興局の清水俊久局長らは19日、県庁で緊急の記者会見を開いて「想像力が欠如していた」と陳謝し、事故を招いた責任を認めた。わずかな放流でも河川の利用者に事前に警告するように県の規定を改定するといった対策を検討し、再発を防ぐと説明した。

 事故は17日午後4時半ごろに発生し、滝谷森林公園内の加治川で川遊びをしていた新潟市北区の女性(45)が約120メートル、息子で小4の男児(9)が約10メートル流された。女性は低体温症、男児は軽いけがで、共に命に別条はなかった。

 県が女性から聞いた話によると、事故当時に川の水位は当初、靴底が水に浸る程度だったが、その後に膝くらいまで上昇した。ダムの放流量は通常は毎秒12~13トンだが、事故発生から約50分前の午後3時40分ごろには2倍の26トンに達した。近くに観測所がなく、県は水位の変化を正確には把握していないと説明した。

 原因となったのは、ダムで滝のように水を流す「観光放流」。新発田市観光協会と県が共催する羽越水害復興50周年記念のイベントの一環として、県の治水ダムでは初めて行った。このダムは多数の死者を出した昭和42年の羽越水害を機に造られたものだった。

 県の規則では、このダムからの放流で市などに事前通知するか川沿いの警報サイレンを鳴らす措置を取るのは、11キロ下流にある水位観測所の地点で30分間で20センチ以上の水位上昇が見込まれる場合としていた。今回は事前通知が必要な放流ではないと判断したという。

 清水局長は、観光放流で放流量を一時絞ったことで水位が低くなり、川に入りやすい状況になったにもかかわらず、県が観光放流を公園管理者に事前通知していなかったため今回の事故を招いたとし、謝罪した。また、県河川管理課の棚橋元課長は「(水量を調整する)ダムのゲート操作はルール通りだったが、結果的にこのような事故につながり申し訳ない」と述べた。

 県は再発防止策として、わずかな放流でも事前警告し、ダムの水量調整を伴う観光放流は行わないことなどを検討するとした。