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幻のタマネギ「今井早生」復活 3世代で奮闘 大阪・泉佐野の農園が試験的に栽培

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幻のタマネギ「今井早生」復活 3世代で奮闘 大阪・泉佐野の農園が試験的に栽培

 大阪・泉州地域のタマネギを代表する品種のひとつで、市場にほとんど出回らないことから「幻のタマネギ」と呼ばれる「今井早生(いまいわせ)」を地元ブランドとして復活させようと、奮闘する農園がある。昨年試験的に始め、今年初めて収穫された今井早生は、地元のホテルもほれ込むできばえとあって、関係者は「もっともっとおいしい野菜があるんやでと伝えたい」と意気込んでいる。

 今井早生の育成に取り組むのは泉佐野市鶴原貝田で家族3世代で営む「三浦農園」。同農園の三浦淳さん(31)によると、農園で作るタマネギが、なにわの伝統野菜「泉州黄玉葱(きたまねぎ)」として認められなかったことが、今井早生栽培のきっかけになったという。

 「泉州黄玉葱」には今井早生を含む3種類しか認められてないが、農園が作ってきたタマネギは品種改良されており、これらに該当しなかったというのがその理由。それではと一念発起し、今井早生の栽培に取り組むことにした。

 当初は周囲から「なんでわざわざ」と批判的な声もあったというが、今井早生のタネを入手し、昨年初めて植えた。専門家の指導があるわけではないが、これまでタマネギを作り続けてきた経験と、おいしい野菜を育んできた土壌を頼りに育成に励んだ。

 農薬や化学肥料の使用量を最小限に抑えていることなども効果を発揮したのか、今年5月に収穫した今井早生は約3トン。収穫したタマネギをその場で食べてみた淳さんは「甘いやん」とそのおいしさに感激した。

 地元のホテルもほれ込んだ。関西国際空港にある「ホテル日航関西空港」は、泉州野菜にもこだわった料理を提供していることから、今井早生を探していたところ、同農園に出合った。同ホテルはすぐに契約し、料理のおいしさで評判を呼んでいる同ホテルを支える大事な野菜のひとつとなった。

 もっとも、今回の今井早生では割れたり変形してしまったものも多く、「秀品」と認められたのはわずか4割。今後はいかに収穫量を増やし、秀品として安定させ、販路拡大をしていくかが課題となっていく。「おいしいからつくりたい」と話す淳さん。いつしか今井早生を再び泉州のブランドとして確立させ、多くの人に食べてもらうことが夢だ。