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住民、中学生がシジミ放流「川遊びできる多摩川」願い込め 

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住民、中学生がシジミ放流「川遊びできる多摩川」願い込め 

多摩川河川敷でシジミを放流する六郷中生徒ら=18日、大田区西六郷 (同区提供) 多摩川河川敷でシジミを放流する六郷中生徒ら=18日、大田区西六郷 (同区提供)

 生物環境が豊かだったかつての多摩川を取り戻そうと、大田区西六郷の多摩川河川敷で18日、シジミの放流が行われた。西六郷の住民有志でつくる「ラブリバー 六郷川に花としじみの会」メンバーと、同区立六郷中学校(同区仲六郷)ボランティア部の生徒ら計約60人が参加。地元町会の協力を得て毎年行っており、今回で21回目となった。

 シジミは島根県宍道湖産で、10キロをJR京浜東北線の高架下付近に放流した。

 シジミには水質汚染の原因となる浮遊有機物、植物プランクトンをエラでこし取る浄化能力があり、放流を続けることで、再びシジミが取れる漁場をよみがえらせることにもなる。

 有志の会をつくり、放流を続けてきた西六郷高畑町会会長の大島悦雄さん(69)は、「自分たちの町を自分たちで守り、子供が魚を捕ったり、川遊びをしたりできるような故郷を作っていきたい」と多摩川再生への思いを語る。また、六郷中3年の吉川侑希さんは「これからも積極的にボランティア活動に参加して、自分たちが住む町をよりよくしていきたい」と話していた。

 高度成長期、多摩川は流域人口の急増による生活排水の流入などで汚染が深刻化し、「死の川」とまで呼ばれた。しかし、下水道の整備や環境意識の高まりとともに水質が改善。近年は数百万匹規模の天然アユの遡上(そじょう)が確認されている。これに伴い、シジミの漁獲も復活しており、都は多摩川本流(最下流)のシジミ漁業について、平成25年に大田漁業協同組合など7漁協に漁業権を設定した。