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“好き”生かし宇陀で起業 ソーセージ・民宿・はちみつ…名物に

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“好き”生かし宇陀で起業 ソーセージ・民宿・はちみつ…名物に

 宇陀市で起業することを目指して、今春同市に「仕事づくり推進隊員」として採用された男女3人が同市役所で記者会見。それぞれが取り組むプロジェクトを紹介しながら、「歴史があり、自然豊かなところが魅力」「奈良を盛り上げる仕事がしたい」など、起業に向けた意欲を語った。

 3人は元食品会社員の松村祐司さん(30)と橋本可奈子さん(34)、元農家民宿従業員の岩切合(いわきりあい)りーんさん(35)。

 起業家の活動で地域を活性化し、大和高原地域への移住・定住を進めようと昨年12月、県と宇陀市、ロート製薬の3者が協定を締結して公募。38人の応募者の中から、企画内容や起業への情熱などから3人が選ばれた。

 松村さんは大和高田市出身。ドイツでソーセージづくりを修業し、同国政府認定の「食肉加工マイスター」資格を持つ。目指すのは、県産肉や宇陀市特産の薬草を使ったソーセージなどの加工食品の開発で、「マイスターの資格を取ったのはドイツのソーセージづくりに魅せられたから。これからは奈良を盛り上げる仕事がしたいと思っており、ソーセージづくりの体験教室や、スモークハウスづくりにも挑戦したい」と話す。

 岩切さんは京都市出身で、父親が米国人、母親が日本人のハーフ。京都で3年間、ホテルで勤務し、その後明日香村で農家民宿の女将(おかみ)を務めた。「お客さんと接することがすごく好き」といい、古民家再生による体験型農家民宿経営が目標という。「自然が豊かな宇陀市は農家民宿にぴったり。民宿の前の畑で農作業をし、自然の食品を食べて、ゆったりと滞在してもらいたいと思う。グリーンツーリズムについても勉強していきたい」

 奈良市を訪れるインバウンド客の取り込みをめざしており、農家民宿となる古民家探しを進めている。

 一方、橋本さんは大阪府茨木市出身。会社勤務の中で「食品生産にたずさわりたい」と思い応募したという。耕作放棄地を活用した養蜂と、はちみつを使ったスキンケア用品などの開発をめざしている。「はちみつは栄養価が高く、いろんな食べ方が提案できる。食品以外への展開も可能な広がりが感じられる食材だと思う」とし、すでに大和郡山市の養蜂家のもとで研修を始めている。

 3人は3年以内の起業を目指している。市では薬草やハーブを利用した新しいビール開発をテーマに、もう1人の採用を決めており、最大6人を追加募集する予定。「魅力ある仕事づくりや移住・定住の促進などにつながることを期待している。市の制度も活用しながら創業支援を行っていきたい」としている。