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農作業にICT活用 新潟市、ヰセキ信越と実証実験 省力化や収穫量アップ加速

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農作業にICT活用 新潟市、ヰセキ信越と実証実験 省力化や収穫量アップ加速

 農業の国家戦略特区に指定されている新潟市が、ICT(情報通信技術)で農作業の省力化を図る試みを加速させている。井関農機の販売子会社、ヰセキ信越(同市南区)と協力し、さまざまなセンサーを備えた田植え機の実証実験を開始。また、小型無人機「ドローン」と田んぼに設置したセンサーを連係させ、省力化や収穫量アップにつなげるプロジェクトを今夏をめどにスタートさせる。(松崎翼、村山雅弥)

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 実験で採用した田植え機は井関農機が昨年発売した最新型で、田植えと同時に肥料をまく機能を備えている。前方に取り付けた超音波センサーで地面までの距離を測り、水田で車体がどれだけ沈むかを推測。両前輪の内側にある電極センサーでは水田の中で両輪から流した電流を測り、土の肥沃(ひよく)度を読み取る。

 養分の多い場所では稲が育ちすぎるため、センサーのデータを基に肥料を少なくするなど、肥料の量を自動的にコントロール。生育を均一化し、倒れにくい稲に育てられるという。

 今月7日には衆院新潟4区選出の金子恵美総務政務官が同市南区の水田を視察。この田植え機に試乗して「どんな品種にも対応できるのですか」と担当者に質問するなど、ICTの効果に関心を寄せていた。

 金子氏は「農業の担い手が不足する中、コメどころの新潟でもICTで省力化やコストダウンを進めてほしい」と記者団に語り、政府としてもICTの活用を後押しする考えを示した。

 同市は60アール程度の水田でICTを活用した実証実験を行う計画。ニューフードバレー特区課の担当者は「1年では効果が分からないので、数年をかけて検証したい」としている。

 また、今夏にはNTTドコモ(東京)やベンチャー企業のベジタリア(東京)など4社と連携し、病害虫や雑草の発生状況を把握して適切な収穫時期を予測するプロジェクトに乗り出す予定だ。ドローンに搭載したカメラで撮影した画像データや水田のセンサーで得られたデータを解析し、より効率的な水田管理につなげる。

 同市はこのほか、農業ベンチャーのウォーターセル(同市中央区)や重工メーカーのIHIと連携し、人工衛星で撮影した植生分析画像や気象計測システムを活用した農作業の効率化も推進。特区による規制緩和を生かし「革新的農業を実践したい」としている。