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世代・地域を超え交流の場に 子育てママ発案「蔵の図書館」好評 千葉

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世代・地域を超え交流の場に 子育てママ発案「蔵の図書館」好評 千葉

 築130年の蔵を活用し、住民らで作った図書館が好評を集めている。書棚や机などは手作り、蔵書も寄贈を募った。一連の活動を通じ世代や地域を超えてたくさんの人がつながり、新しい交流やアイデアが生まれる。みんなで作り上げていく「蔵の図書館」は、地域に根付いてゆっくりと成長を続けている。(藤川佳代)

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 車がやっと一台通れるほどの道を抜けた広大な旧家の一画。四街道市吉岡地区にあるどっしりとした重厚な土蔵の2階が“手作りの図書館”、その名も「蔵の図書館」だ。

 発案したのは、子育てママたちのサークル活動をしている高山理恵さん(37)。高山さんが地域交流で知り合った所有者から「子供やママたちが気軽に利用できる本棚文庫として活用してほしい」と、蔵の2階を無料で借り受けた。

 昨年10月に準備はスタート。蔵の大掃除をイベントとして広く呼びかけると、市内外からさまざまなアイデアや才能を持つボランティアスタッフが集まった。廃材を使った本棚や手作りのランプシェード、譲り受けたテーブルなど、館内にしっくりとなじんでいった。

 蔵書は、寄贈してくれる人のお気に入りの1冊。市政だよりや自治会館へチラシの掲示、ポスティング、フェイスブック、告知も兼ねた出張図書館などで呼びかけ、これまでに集まった絵本や文庫本、漫画や雑誌は600冊以上になる。

 貸し出す本には蔵書番号が付けられ、寄贈者からの手書きのメッセージや読んだ人が感想を記入できるカードが添えられている。市の図書館長やスタッフの読書アドバイザーから専門的な助言を受け、それぞれが得意とする分野でアイデアを出し合った。

 蔵の図書館は、昨年12月にプレオープンし、今年4月16日に開館。赤ちゃんからお年寄りまで、4日間の来館者数は164人に。訪れた人たちは蔵や庭先での読書や、小石や木の端切れに絵を描くワークショップ、スタッフが育てている「蔵の畑」でのかき菜の菜の花とほうれん草の収穫体験を楽しんだ。

 「千葉の原風景が広がる里山を歩きながら、ゆっくりとした時間を過ごしてほしい」と話す高山さんは、館長でもある。スタッフと知恵を出し合い、居心地の良さを工夫し「また来たい」と思えるような場所にすることが目標だ。

 高山さん自身、蔵の図書館を通じた活動で新たに気づくことも多い。雑草の生い茂るスピードは、畑仕事をやってみて初めて分かったことだ。「子供たちに自然の中で遊んだ記憶をプレゼントできたら」。蔵の図書館の浸透とともに、ここをきっかけとした人々の交流が深まることを期待している。

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 6月の開館は11、12両日の午前10時~午後2時。本の閲覧は無料。図書館の維持活動に賛同するサポーター会員(1口2000円)になると、本の貸し出しや飲み物、畑で育てた野菜と交換できる「蔵」チケットがもらえる。詳しくはフェイスブックhttps://www.facebook.com/storehouse.library/。【問】高山さん(電)090・7419・3284。