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女性研究者の働き方改革で県が埼玉大と連携 環境改善へ意見交換

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女性研究者の働き方改革で県が埼玉大と連携 環境改善へ意見交換

 ■埼玉版ウーマノミクス、50社に奨励金や助言

 女性研究者の「働き方改革」を推進するため、県は6日、埼玉大と連携することを発表した。研究機関では女性研究者の働き方改革がほかの業種よりも遅れているとされ、県の研究機関と埼玉大で女性研究者の交流の場を増やすことで課題の解消につなげる。県は女性が活躍するために働き方を見直す「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を進めており、その一環として行う。

 埼玉大と連携するのは環境科学国際センター、衛生研究所、産業技術総合センター、農業技術研究センター、県立がんセンター臨床腫瘍研究所。女性研究者は、5研究機関に計約60人、埼玉大の理工学研究科には約20人いる。

 今夏以降、相互訪問や交流会を開催し、それぞれの職場に関して意見交換を行い、女性研究者が働きやすい環境を構築する。研究機関の場合、外部との交流が少なく、管理者に働き方の改善を要求する環境も十分ではないという。管理者も交流会に参加してもらうことで、働き方改革を推進させたい考えだ。(黄金崎元)

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 少子高齢化で人手不足が深刻化するなか、女性が活躍しやすい環境づくりが急務となっている。県は平成24年から女性が活躍することで、経済の活性化を図る「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」を推進しており、29年度も積極的に対策を打ち出している。

 その一つが働き方の見直しを行った企業への奨励金の支給だ。有給休暇の取得や所定外労働の削減、テレワークの導入、男性の育児休業の取得に取り組む企業に対し、県からアドバイザーを派遣。一定の成果をあげた場合、最大30万円の奨励金を支給する。29年度は50社への支援を予定する。

 7月には、女性管理職向けの交流会を開催する。悩みを共有できる仲間をつくってもらい、それぞれが抱える課題を解決し、女性管理職を増やすのが狙い。企業経営者や管理職向けに育児や介護での離職に対応するセミナーも行う。

 国に先駆けて開始した埼玉版ウーマノミクスプロジェクトだが、一定の成果が出ている。多様な働き方を実践していると県が認定した企業数は24年が464社だったが、28年は2267社まで拡大した。働き方の見直しに取り組んだ業界団体も28年は55団体で、27年の22団体から倍増した。

 ただ、まだ課題は多く、上田清司知事は「女性の働き方の見直しは男性の働き方の見直しに尽きる」と指摘する。男性の育児休暇などがまだ浸透していない分、女性の負担が重くなっている。男性の働き方を見直さないと、改革が進まないというのが現状だ。