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お試しオフィス「魅力大きい」 銚子に高市総務相、執務環境など“お墨付き” 千葉

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お試しオフィス「魅力大きい」 銚子に高市総務相、執務環境など“お墨付き” 千葉

 銚子市が総務省の委託で取り組んでいる「お試しサテライトオフィスモデル事業」を視察するため、高市早苗総務相が19日、市内に開設された拠点を訪れた。中心市街地の空き店舗を活用したオフィスの執務環境を確かめ、試用中の企業関係者と意見を交わした高市総務相は「とても環境の良いオフィスで可能性がある。市や民間団体がまちぐるみで積極的に取り組んでおり、地域的な魅力も大きい」と手応えを話した。

 同事業をめぐり、銚子市は今年3月から試用オフィスの提供を始め、都内のIT関連会社など9企業が利用している。市が借り上げた空き店舗や観光施設の空きスペースで、企業関係者が1週間程度の勤務を無料で体験できる仕組み。市は海などの自然豊かな地域資源や温暖な気候といった魅力をPRしつつ、企業側のニーズを把握して本格的な企業誘致に結びつけたい考えだ。

 高市総務相はこの日、JR銚子駅前通りで地場産品などを販売する商業施設「銚子セレクト市場」(同市双葉町)を訪れた。施設内の空き店舗に開設されたオフィスは現在、いずれも都内に本社を置く電機大手のNECと情報通信会社ネオスの2社が試用中で、都内の部署とのビデオ会議の様子などを視察した。

 意見交換では、企業の担当者が「IT会社は東京に集中してしまい、人手不足になる。プログラムやデザインの仕事はどこにいてもできるので、サテライトオフィスは地方で仕事をしたい人の雇用の拠点になる」と改めてメリットを強調。別の利用者は「オフィスの近くにある利根川の景色が素晴らしい。クリエーティブな仕事ができそう」と実感を述べた。

 視察後、高市総務相は「将来、銚子市で育った若者が、銚子に住んだまま都市部の企業の正社員としてサテライトオフィスで働けるような環境づくりをしていただけたらうれしい」と話した。

 人口減少と少子高齢化により市税収入が落ち込み、財政危機に陥っている銚子市では、企業誘致による地域経済の活性化に力を入れる。視察に同行した越川信一市長は「多くの子供たちは高校を卒業すると、市外に出たまま帰ってこない。サテライトオフィスの取り組みが新たな雇用を生み、若者が帰ってきてくれるきっかけになれば」と期待を込めた。

 視察は20日にも行われ、森田健作知事が参加して県が進める空き公共施設を活用した企業進出支援事業の取り組み状況などを説明する予定。

 お試しサテライトオフィス 地方自治体が都市部のベンチャー企業など誘致するため、ノウハウの提供やニーズの把握を総務省が支援する事業。地方の使われていない店舗や公共施設を、企業が本社から離れた場所に置くサテライトオフィス(出先拠点)として利用することで、地域活性化を図る。都市から地方への新たな人の流れや、地元企業と連携したビジネスの創出が期待される。モニター事業として、平成28年度から総務省が全国の自治体にオフィス設置を委託し、同年度は銚子市を含む全国10自治体が実施。県内では南房総市(29年度)も採択された。