産経ニュース

「出雲民芸紙」の伝統継承し手漉き技術をデジタル化 島根

地方 地方

記事詳細

更新


「出雲民芸紙」の伝統継承し手漉き技術をデジタル化 島根

 伝統工芸「出雲民芸紙」の手漉(す)き技術をデジタルデータ化しようと、松江市八雲町の安部栄四郎記念館で19日、和紙職人の安部信一郎さん(65)らが紙を漉く動作などのモーションキャプチャーが行われた。同館は、得られたデータを活用し、紙漉きロボットの開発を目指す。

 出雲民芸紙は「雁皮紙(がんぴし)」作りの国重要無形文化財保持者(人間国宝)として認定された安部栄四郎(1902~84年)が、出雲和紙の伝統を取り入れながら現代に蘇らせ、孫の信一郎さんが技術を継承。信一郎さんが理事長を務める同館では、文部科学省の補助を受け、PRのDVDや多言語パンフレットの製作、全国の和紙生産者調査といった、さまざまな形で伝統の継承を図ってきた。

 今回のデジタルデータ化も、その一環。国立松江高専と島根大大学院総合理工科学研究科の協力を受け、信一郎さんが持つ技術をデジタル解析し、合わせて、紙を漉く際に紙繊維がどう動くかなども調べる。

 同館の手漉き和紙伝習所には、モーションキャプチャー用のカメラが置かれ、信一郎さんの体に9つ、紙漉きの道具に4つ、モーションセンサーを取り付け、信一郎さんの紙漉きを撮影。パソコンにデータを取り込んでいた。

 「自分の技術がデータ化され、目に見える形で後世に残せるのはうれしい」と信一郎さん。今年度中に解析され、10月に松江市で同館が開催するシンポジウムでも発表する。