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熊楠に名誉市民称号授与 生誕日に墓前で報告会 和歌山・田辺の高山寺で市長ら

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熊楠に名誉市民称号授与 生誕日に墓前で報告会 和歌山・田辺の高山寺で市長ら

 田辺市は、世界的植物・博物学者で今年生誕150周年となる南方熊楠を名誉市民とすることを決めたのを受け、熊楠の生誕日に当たる18日、墓所のある同市稲成町の高山寺(曽我部大剛住職)で墓前報告会を開催した。同市は10月に開催する記念式典で名誉市民称号授与式を行う。

 熊楠は慶応3(1867)年に和歌山市で生まれ、後半生の37年間、田辺市に住んで粘菌研究などに取り組んだ。その間、明治政府が推進した神社合祀(ごうし)政策に反対の論陣を張るなど、自然との共生や景勝史跡の保全に尽力した。

 同市では昨年、南方熊楠顕彰会や市議会、田辺商工会議所など市内各種団体で生誕150周年記念事業実行委員会を設立し、「熊楠翁を名誉市民に」との要望書を真砂(まなご)充敏市長に提出。今年3月市議会に熊楠を名誉市民とする議案が上程され、全会一致で同意した。

 墓前報告会には約30人が出席し、真砂市長が「貴殿が遺(のこ)した語り尽くせぬ治績は市民の誇り。墓前に名誉市民の称号授与を報告できることは大きな喜び」と墓前報告文を読み上げ、熊楠が生前好きだったというセンダンの花を献花した。この後、高山寺本堂で「熊楠翁を偲(しの)ぶ会」も催された。

 遺族を代表して出席した熊楠の弟、常楠の孫に当たる和歌山市松ヶ丘の南方信雄さん(81)は「150年の節目の年に名誉市民称号をいただけるのは遺族として非常にうれしい」と喜んでいた。

 田辺市の名誉市民は旧市当時、合気道創始者の植芝盛平や元首相の片山哲ら8人が選ばれたが、平成17年に旧市と周辺4町村が合併し誕生した新市では、熊楠が初の名誉市民となる。