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【夢を追う】元C-C-Bドラマー・笠浩二さん(4)友の死、震災を乗り越えて

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【夢を追う】
元C-C-Bドラマー・笠浩二さん(4)友の死、震災を乗り越えて

自宅敷地内のスタジオ予定地で「音楽で恩返しをしたい」と語る笠浩二さん 自宅敷地内のスタジオ予定地で「音楽で恩返しをしたい」と語る笠浩二さん

 《熊本地震の前にも、悲しい出来事に襲われた。「C-C-B」のリーダーでベーシストだった渡辺英樹さんが平成27年7月13日、亡くなった。享年55だった》

 英樹さんとは高校時代からバンドをやってきて、兄弟みたいな存在でした。親よりも長い時間をともに過ごした。けんかをしても、何を怒っているかが互いに分かるほどでした。彼と一緒に音楽をやれたことは、今も誇りです。

 バンド解散後もメンバーが時に集まり、セッションをしたのは、リーダーが一生懸命、間を取り持ってくれたからだと思う。

 C-C-Bは僕らの原点です。過去のわだかまりより、この原点を伝えようと、元メンバー4人で話がまとまった。再結成してアルバムを出して、できるところまでやっていこうとなりました。

 27年6月、熊本と関西、東京でのライブツアーを計画しました。僕の両親はライブを生で聴いたことがありません。それを知っていた他のメンバーが「熊本でやろう」と言ってくれた。優しい気遣いがうれしかった。

 でも、熊本でのライブの2日前、英樹さんが緊急入院した。予定されていたライブはすべてキャンセルとなった。みんなともう一度、ロマンチックを演奏したかったのですが、バンドの柱だった英樹さんが亡くなって、かなわぬ夢となりました。

 《喪失感の中、何とか前を向こうとしたが、試練は続いた》

 昨年4月14日のことは忘れもしません。日中、テレビを見ていた父が「おい、また捕まったみたいだぞ」と、声を上げたんです。

 C-C-Bの元メンバーが薬物事件で逮捕されたのです。「また」と言った通り2回目です。世間からは「甘い」と言われるかもしれませんが、僕は更生してくれると期待していた。もう完全にアウトです。

 誇りにしていたC-C-Bが傷つけられる。悔しい思いで一日を過ごしました。その夜に1回目の大きな揺れが来たんです。

 16日の本震は真夜中にトイレから出た直後でした。「ドーン」と来て、ずっと揺れた。「違う」と思いました。電気とガス、水道がストップ。父が懐中電灯をつけて家の中を確認すると、家具が倒れていました。危ないから家族で車中泊をしました。

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