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円熟の演技披露 「肥土山の舞台」農村歌舞伎、五穀豊穣を祈願 香川

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円熟の演技披露 「肥土山の舞台」農村歌舞伎、五穀豊穣を祈願 香川

 香川県土庄町肥土山の離宮八幡神社の国指定重要有形民俗文化財「肥土山の舞台」で3日夜、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する農村歌舞伎が奉納上演され、伝統の民俗芸能大勢の観客が楽しんだ。

 農村歌舞伎は、貞享3(1686)年、庄屋の太田伊左衛門典徳が私財を投じて造った農業用ため池「蛙子(かえるご)池」の完成を祝って始まった。

 現在、「肥土山農村歌舞伎保存会」(佐々木育夫会長)と同地区自治会の6組が、毎年輪番で上演し継承している。

 この日の演目は、幕開けの舞「三番叟(さんばそう)」に続き、子供たちの「伽羅(めいぼく)先代萩 政岡忠義の段」。

 子供たちの演目は奥州伊達家のお家騒動の物語。主君への忠義とはいえ、目の前でわが子が刺し殺されても「よくぞ死んでくれた」と嘆く迫真の演技に拍手が送られ、舞台におひねりが飛び交った。

 3幕目は「白浪五人男 稲瀬川勢揃いの場」。5人の男が次々と迫力あるたんかを切った。

 4幕目は「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」。保存会が2月から積み重ねた稽古の成果を熱演。反逆心のない証に差し出す首が実はわが娘と知り動く心を円熟した演技で披露した。

 露天桟敷は夜のとばりに包まれ、舞台は照明で浮かび上がるなか、観客は酒を酌み交わし、友人や親類の役者に大きな声を掛けるなどして江戸情緒を楽しんでいた。